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昨昼、故碓庵老師のお弟子さんたち4名が、萩から出雲への旅行途中、弊寺にお立ち寄り下さいました。
一週間前、用有って今回メンバーの一人である竜安寺山内寺院の和尚さんに電話したところ、ちょうど山口方面へ行くとの話から。 碓庵老師は、不肖の出家に大きな影響を与えた方。 一時間半ほどですが、遷化した老師の思い出話しなどを伺いつつ、住職をなさっていた年代によって、随分と指導方法も違っていたんだなあと、この門をくぐってからようやく分かることも含め、もう一つ身近に感じることが出来、嬉しく思いました。 また、先日、ふらりと市内在住の方がいらっしゃり、この度結婚する息子夫婦の為に一行書を書いて欲しいとの依頼。 初対面でもあり、住職へのお願いかと思い、断ろうとしたところ、私に書いて欲しいと頼まれました。 お茶を習っている様子でもなく、人目に触れることはほとんど無かろうと、折角頭を下げてきたのだから勉強のつもりで引き受けてみることに。 そうしたところ、後日、先方が用意してきたのは、一行書の用紙のみならず色紙も。 子どもら夫婦は、御軸だと滅多に広げないだろうから色紙に。 一行書は、私への戒めとしてお願いしますとのことでした。 新婚夫婦に贈る言葉って、何が良いのかなと思案。 知人にも意見を伺い、色紙は「慈愛」、御軸は「無事是貴人」(ぶじこれきにん)に。 初めてのことで、慣れないながらも一生懸命。 因みに一行書は、全慶老師の書を手本にして。 先日豆撒きの鬼をつとめた先輩は、高校の書道の先生で、まなびは、まねぶことから始まると繰り返し口にします。 ようやく書き上がりまして、今日は引き渡し。 ![]() 「慈愛」は、一方的に注ぎ込むような執着する愛ではなく、お互いを敬う慈しみの心に重きを置いて下さいと。 ![]() 「無事是貴人」の無事は、何事もなく済むといった無事ではなく、辛いことや嫌なことがあったとしても、真正面から受け止めて自身の経験として昇華していくといった意味合いですよと教えてあげました。 随分納得して下さった様子ながら、更に質問あり。 「初めて姑となるわけですが、これから若い嫁と親しくやっていくには、どのようなことを心掛ければ良いのでしょうか?」 すかさず「自分の意見を言うよりも、嫁の話を聞くことから!」 姑の方が、人生経験もあり余裕もあるのですから、自分の意見を嫁に言おう言おうとする前に、嫁の意見にしっかりと耳を傾けることから始め少しずつ助言してやれば、家庭円満に近付けるんじゃないでしょうかと言ったところ、うんうんと頷き、一行書は家宝に致しますと言って、帰って行かれました。 とはいえ、言うは易く行うは難し。 願わくば、無事であってほしいものです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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