ダンス！DANCE！

TBSドラマ「俺の家の話」。
２０２１年放送。

現役プロレスラーの観山寿一(長瀬智也)は、怪我や年齢のこともあり、小さな団体で細々と試合に出ています。
そこに父親が危篤という知らせ。
寿一の父親は、二十七世観山流宗家・観山寿三郎(西田敏行)、能楽シテ方の人間国宝です。

２５年も前に父に反発して家を飛び出した寿一でしたが、奇跡的に命はとりとめたものの、車椅子生活で、認知症の兆候も出始めた父の介護のために家に戻ることにしたのです。
そして、さらに父の後を継ぐことを決心したのです。

親の介護という大変な問題をテーマとしながらも、明るく時には面白く扱い、また、今まで、ドラマの舞台になったことのない能楽シテ方の家～ということで、とても斬新な楽しいドラマでした。
…と思っていたのですが、本当に衝撃の最終回でした。
さすが、クドカン脚本というべきでしょうか。

認知症をわずらっていた観山寿三郎(西田敏行)を見送って終わるかと思っていたら、ナント、主役の観山寿一(長瀬智也)が亡くなってしまうとは…。
ですが、能楽人間国宝の父から、最後に「お前は、我が家の人間家宝だ」と言ってもらえてよかった。

出演者の方たちも大変だったでしょう。
西田敏行さんの謡いは、さすがでした。
でも、やはり、家族旅行で歌った「マイ・ウェイ」が圧巻でした。

寿限無役の桐谷健太さんの謡いは、最初はちょっと違和感があったのですが、最終回での能「隅田川」の装束は、よく着こなされていたと思います。

長瀬智也さんは、プロレスラーと能楽師という役で、ドラマ設定としては面白かったですが、役作りは大変だったのではないでしょうか。
プロレス用に大きな体を作り，能の仕舞では、しなやかな所作を表現しなければならないでしょうから、よくこなされたと思います。
今月で、ジャニーズ事務所を退所し、これからは裏方をなさるとのこと。
役者としての最後のドラマだったのですね。
とても、よいドラマだったと思います。