競馬と子供4人とカーネーション。
土曜日・・営業後、来店下さった・・ お客様であり、我が、「競馬の師匠」である、 「先生」から、寿司屋でのお誘いがあった。 この、師匠・・馬券においては・・天才である。 3連単、万馬券に「5万」「10万」突っ込む人である。 最近は、あんまりやらないみたいだが・・・ 買う時は・・30点、50点・・は当たり前。 馬連・・5万で5点・・・ 馬単・・2,3万で4~5点・・ 3連複、3連単、1万単位で20点・・ 100万円分くらい・・馬券を買っちゃう人なのだ。 と・・凄まじい購入をする方なのだが・・ きちんと・・帯つきで、 10束(1千万)・・20束(2千万)・・を 取ってしまった実績がある人である。 その師匠に、営業終了後・・ 「寿司三昧にいる」と・言われれば・・ 行かないわけには行かない。 ラガッサのメンバー・・7人と連れだって・・ 朝方6時に寿司パーティー・・。 楽しく盛り上がった・・・。 のはいいのだが・・ 私も、しこたま・・飲んでしまった。 日曜、朝8時過ぎに帰宅すると・・ もう女房は起きていて・・ 弁当を作っている。 「・・・今日、何処か行くの・・?」 「下の子、連れて、公園に行くから・・あっ!丁度良かった・・サラダ油切れてるから、今から買ってきて・・。」 買いに出る。 帰宅後・・シャワーを浴び・・2時間だけ・・ 横になって・・ 「父ちゃん!行くぞ!」 と・・息子の声に起こされる。 ・・・競馬所ではない。 日曜の昼下がり・・ 車で、10分程行った所に、野川公園はある。 399,211.30平方メートル。 調布市、三鷹市、小金井市の3市に跨っていて。 かなり、広い。 緑豊かな自然が残されていて、起伏のある芝生広場、そして広々とした芝生広場とテニスコート・ゲートボール場・アスレチックがあり、のびのびした気分を味わうことができる。 そこに・・子供4人。 まずは、ピクニックがてら・・お弁当。 子供は食欲旺盛だが・・ 俺は数時間前まで・・飲んでいたビールと・・ 腹の中には・・・まだ寿司が残ってる気がする。 が・・手作りのおにぎり、3個を口に詰め込んだ。 その後がきつい・・。 女の子2人には・・バトミントン。 男の子2人には・・野球。 そして・・フリスビー・・ 音の出る風船。 キャッチボールに、サッカーの相手を・・ 2時間30分こなす・・ 「ちょっと・・トイレに行ってくる。」 と・・行って・・ 抜け出し・・「携帯」から馬券を購入する。 馬券を買う行為そのものも一苦労だ。 我が師匠の言葉を思い出す・・・・。 「タケ・・今回、大穴が出るとすれば・・2枠の2頭。3番アサヒライジングの逃げ、とコイウタが、来るからな。」 ・・と言う言葉を思い出す。 「タケは何を買うんだ??」 「師匠!自分は7番、スイープトウショウは今回絡むと思うんです。後、狙いは、ピンクの帽子・・16番デアリングハート 17番ジョリーダンス、あたりが狙いです。」 と・・言う事で・・馬券・・7番を軸に・・ 馬連・・3連単・・ 3番、4番、16番、17番・・6番を購入した。 トイレから戻って・・ 再び芝生の上で・・ 今度は、プラスティックのバットで・・ ビニールボールをノックする。 フライを素手でキャッチしたら、10円あげる! と言うと・・子供4人は、おおハシャギ! 1時間ほど、ノックをして遊ぶ。 子供2人でも、大変ではあるのだが・・ 4人ともなると・・ 使う「気力」は2倍・・ 「体力」は4倍必要だ。 しかし・・天気のいい公園で。 子供達と遊んでいると・・童心に返る。 心底リフレッシュ出来た気がする。 帰宅途中・・ 携帯で、競馬の結果を見る・・。 「ガーン!!」 1着04番 コイウタ 2着03番 アサヒライジング 3着16番 デアリングハート 馬連 3-4 30,740円 馬単 4-3 73,240円 3連複 3-4-16 235,020円 3連単 4-3-16 2,283,960円 うわぁ・・・ 先生が言った通り・・ 黒い帽子の2頭が1着・2着。 俺が選んだピンクの帽子16番が3着・・ 3連単・・2百万・・。 凹んだ・・・。 7番は9着に沈んでいた・・。 7番を無視して・・ その通り・・買っておけば・・・。 と・・ 携帯見ている俺に腹を立てたのか・・ 女房が言った・・。 「まったく・・母の日だってのに・・ プレゼントの一つもないんだからね!」 「朝から、弁当作ったり、車運転したり・・少しは気をつかえっちゅーの!」 ・・・これはやばい。 すっかり・・忘れていた。 5月・・第二日曜日は・・「母の日」であった・・。 帰宅して・・ 荷物を担いで部屋に戻る。 部屋の窓を開け・・洗濯物を取り込む・・。 ご機嫌を伺うが・・ ご立腹のまんまだ・・。 「いやぁ・・暑かったねぇ・・」 「・・・・・」 「今晩、何食べに行こうかねぇ・・?」 「・・・・・」 黙々と洗濯物を畳んでいる。 無言の女房と部屋に居る事ほど・・ 居づらい事はない。 子供たちは、下の駐車場で遊んでいる。 俺は・・ そそくさと・財布を持って・・ ばれない様に・・ 「あいつら・・何やってんだ?」 と・・子供を見に行くふりをして・・ 階段を下りて行った。 と・・踏切を渡った・・通りの向こう側に・・ ごくごく小さな花屋がある。 俺はそこに駆け込んだ・・。 まだ母の日である。 そこには、数は少ないが・・まだ カーネーションが置いてあった。 その店の中で一番大きい・・ 「黄色」のカーネーションを買う事にした。 店には、アレンジメントで出来た花も置いてあった。 「そうだ・・息子と娘からも上げさせよう」 と・・思い・・。 可愛い、アレンジメントの花と・・ 小さな鉢植えに・・ 「母の日おめでとう」 と書かれた小鉢のピンクのカーネーションを購入した。 駐車場に戻ると・・ 都合よく、まだ子供たちが遊んでいた。 「おーい!」 「何々!それ!」 ・・と子供たちが駆け寄ってくる。 「いいか、今日は母の日なんだけど・・プレゼント渡すのが遅くなっちゃて、ママが怒ってるみたいだから・・皆で、ママに上げようよ!」 ・・と言うと、子供たちの表情が見る見る明るくなった。 4人の子供と、親父は階段を駆け上がって行った。 玄関の前に立つと・・ 4人が大きな声で・・ 「いっせーの!! ママー!」 と・・叫んだ。 と・・歩いてくる気配。 子供4人が大きな声で揃って叫ぶ。 「母・の・日・お・め・で・と・う!」 と・・一人づつ・・花を手渡していく・・。 そして・・ 「遅くなって・・ごめん」 と・・手渡す。 「・・・花じゃ・・ごまかせないからね!」 と・・言いながらも・・ その表情は・・心なし嬉しそうであった。