ホタテウミヘビ
ホタテウミヘビです。ウミヘビと呼ばれる生物には、魚類と爬虫類がいることはダイバーの間では有名な話ですが、魚類であるホタテウミヘビは、ヘビではなく、ウナギやウツボに近い種類です。日中ダイバーがよく見かける姿は写真のように砂地に穴を掘って潜り込み、頭だけ出しているところですが、これは休息している状態のようです。そしてそんな頭のところに、よくエビがうろうろしている光景を見かけます。エビは、ホタテウミヘビに付いた寄生虫などを餌としている掃除屋さんで、左右にユラユラと揺れながら盛んに何かを食べているようです。こちらの写真は、石垣島で撮影したもの、オドリカクレエビが付いています。今まで、このようなシーンは何度か観察する機会があったのですが、なかなか撮影までにはいたらず、初めて撮った光景です。こちらはその翌週、沖縄本島で撮影したもの。今までまったく撮影できていなかったものが2週連続で撮れてしまうなんてまぁ、そんなもんでしょう。ちなみにエビはビイドロカクレエビのようです。夜行性のホタテウミヘビですが、夜になると活発に活動し、小魚や甲殻類を捕らえて食べるそうです。ところが、過去に一度だけ、日中に餌を獲っているところを見たことがあります。普段は穴の中でじっとしているはずのホタテウミヘビが、横方向に泳いでいたのです。おーっ、珍しい光景だなーと、しばらく遠めに見ていたところ、向きを上に変え、尾びれを使って砂地に潜り始めたのです。(どのようにして砂を掘っていったのか? ドリルのように回転していたのか、左右にねじりながら進んでいったのかなど、 残念ながら記憶にありません。)ある程度の深さまで掘り進んだところで、一旦穴から出た後、今度は頭を下に穴の中に入って行きました。穴の中でなにやらもぞもぞしている様子。そして再び穴から出てきた時にはその口にガーデンイールを咥えていたのです。穴を掘るときはいつも尾の方向から進むのかどうか定かではありませんが、(頭から掘り進んだところを見た人もいるようです。)めったに観察できるシーンではないと思われることを観察できる機会にめぐり合えたことは幸運でした。