洗浄剤とガン
妻はよく風呂掃除にカビキラーを噴霧していた。作業中は換気扇を回して風呂(ユニットバス)の扉を開けた状態でした。しかし、咽喉がんになった。このカビ取り用洗浄剤の成分は次亜塩素酸塩、水酸化ナトリウム、界面活性剤であるが、家庭用品にそんなに強い成分が入っているとは思えないので、調べてみました。次亜塩素酸塩とは次亜塩素酸ナトリウムのことです。キッチン周りの漂白剤といえば気が付く方も多いでしょう。この薬品はエタノール同等かやや強い程度の消毒薬であり、人体には無害とされている。また水酸化ナトリウムは石鹸製造や工業用に広く使われている。界面活性剤とは洗剤のようなもので、これらが協調作用してカビを除去するようです。次亜塩素酸ナトリウムは、蛋白質と接触すると、NaOCl→NaClとなるので、低残留性の消毒薬である。しかし、次亜塩素酸ナトリウムは、有機物の影響を受けやすいので、消毒物を、洗浄した後、消毒に使用した方が、有効。また、次亜塩素酸ナトリウムは、金属腐食性がある(特に、0.5%=5000ppm以上の濃度)。また、次亜塩素酸ナトリウムは、プラスチックやゴム製品を劣化させる。私がこの洗浄剤を使ってみて驚いたのは、匂いはしないが、鼻にきつい刺激があることでした。カビ汚れに噴霧した後、すぐこの空気は吸い込んだら危険だと感じた。 次亜塩素酸ナトリウムは食品添加物の中でも最も急性毒性が強く、使用しても最終食品には残らないと言う前提で加工助剤と見なされ、表示免除となっていますが、完全に除去されているか疑問となる時もあります。主な使用方法は野菜の消毒などで、よく洗浄したあとの野菜を微酸性の次亜塩素酸水(PH6.5 有効塩素濃度70.2mg/kg)のプールに10分間浸け込むという方法で消毒が行なわれます。ではカビ汚れに次亜塩素酸ナトリウム吹きかけるとどういうことが起きるかといいますと、フミン質などの有機物質により発がん性があるトリハロメタンなどの消毒副生物が発生する。このガスを定期的に吸い込むと鼻粘膜から癌化が始まる。 フミン質とは、植物などが微生物によって分解されるときの最終分解生成物で、直鎖炭化水素と多環芳香族化合物(分子量数千から1万程度)の難分解性高分子化合物である。土壌と同じ褐色のフミン酸やフルボ酸等があり腐植質ともいう。この内、フミン酸の多くは凝集沈でん・急速ろ過による一般的な浄水処理法で除去できるが、フルボ酸等は除去できず、殺菌・消毒処理に添加した塩素と化学反応し、有害なトリハロメタン(クロロホルムや、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルムなどの総称)やアルデヒド類を生成する場合がある。