カテゴリ:カテゴリ未分類
ワイン、チンザノ、派手なカットの施されたフルーツ盛り合わせで、夜を語り明かす。ふと、こういうときは、身を預けるソファの座り心地が、とっても重要な役割を果たすことに気がつく。部分部分の微妙な角度、深さと柔らかさ、ファブリックの感触、全体のサイズ。そのソファは、例えるならベッドのようだった。自然と力が向けてゆく仕掛けが、そこにある。だからかどうだか自分でも解らないが、私は、後ろの背もたれではなく、横の大きな肘掛けに、もたれ掛かる。そして、なんとなくウトウトしながら、小気味いい会話とBGMによる適度な音の刺激に、気持ちよさを感じていた。しかし、その一方で「ソファのデザインをすることになったら、この心地よさを思い出そう…」なんて、会話をしている意識とは、また別のレイヤーで、ぼんやり考えていたりもするのだ。
午前5時。新聞配達の自転車をタクシーで追い越しながら帰宅する。ドラキュラのように、朝日が昇るのを恐れながら、熱いシャワーを浴びる。これから眠ろうというのに、バスルームの扉を開けた途端、部屋がすっかり明るくなっていたりすると、とっても悲しいから。そして、髪の毛も乾ききらないうちに、今度は本物のベッドに潜り込む。そうしているうちにも、窓の外では、オレンジ色の光が、遠くの空を染め始めている。物静かな外の風景とは対照的な、慌ただしい家の中がちょっと可笑しい。 夢を見た。『物欲日記』を書いている。タイトルは「ジャンボ」。クジラのように滑らかな灰色の肌をした大きな生き物が見える。私はと言えば、それと戯れつつも、その背中を上へ上へと登っている。時折、つるんと滑り落ちそうになりながら。それが生き物だとは、解っているのか解らないのか…。 しかし、そんな大変そうな状況とは裏腹に、これは比喩的な表現なのだそうだ。その大きな生き物とは、昨年のdesignscope設立当初に、ひょんなことで繋がって以来、現在も取引の継続している某社。業界でのブランドも、名実共にトップレベルで、個人的にも、学生の頃から憧れていたような存在。実は、3日前に、そんな「ジャンボ」から、刺激的なオファーがあったばかりなのだ。今回、わざわざ夜を徹してまで話をすることになった発端は、そんなところにもあったりする訳だが、果たして、この事件、夢か現実か…。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|
|