カテゴリ:雅楽・能・文楽
国立劇場にて千秋楽でした。
雅楽に「千秋楽」という曲がありますが、 最後に演奏する曲なので最終日という意味に転じたと 言われはいくつかあります。 演目は「初段」「2段目」でした。 義経は活躍したのもかかわらず、 兄・頼朝の反逆者として追われる身となります。 天下を狙う藤原朝方の策略です。 朝方は後白河法皇から賜った、と嘘をついて 「初音の鼓」を義経に与えます。 これは鼓を「打て」= 頼朝を「討て」という意味でした。 憎めない武蔵坊弁慶の誤解もあり、頼朝は都を落ちることになります。 そこへ静御前が頼朝を追いかけてきますが、 義経を討つために来た者に見つかります。 鼓の皮が親なのだという、狐の子供が佐藤忠信に化け 静御前は助けられます。 頼朝達が出船を待っていると、平知盛に見つかり戦います。 安徳天皇(幼帝)と典侍局は平知盛が破れたのを知り、入水しようとします。 ところが義経たちに抱き止められてしまいます。 知盛は安徳天皇の身を案じぼろぼろになりながら戻り 怨み狂います。 それを見て安徳天皇は 「今またわれを助けしは義経が情け、仇に思うな」と ねぎらいの言葉をかけます。 義経も「帝を守護すると約束する」と言います。 それを聞いた知盛は怨みもなくなり、 覚悟を決め自ら体に碇綱をつけ、海へ投じます。 見どころ満載な演目でした。 特に狐が佐藤忠信に化けている場面、知盛の最後が印象的だと思います。 知盛が怨み狂い、安徳天皇のお言葉で我に返り海へ投じた姿は 時代に翻弄されたが故のもどかしい最後でした。 知盛が覚悟を決めて真っ逆さまに落ちていく人形の芝居に 思わず涙ぐんでしまいました・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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