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森のまん中には ブナの林があります
そのまた まん中に 学校のみんなが手をつないで ぐるっつと回っても とどかない 大きな 大きなブナの木があります 森のはじめから ずっーとそこに立っていました きょうも ゆっくり 枝をのばし 太陽にむかってあいさつしました それくらい せのたかい木です 「やあ おはよう きのうはどこに行ってたんだい かわりに 雲とはなしていたよ」 「たまには きゅうけい しないとね あはっはっはっ」 と 太陽は 楽しそうに 明るい声でわらいました 「ところで 長老」 森のみんなが ブナの木を こう呼んでいるのです 「きょうは だれが たずねてくるんだい?」 空の上で たいくつな太陽は いつも長老にはなしかけます 「小さな 足音がする いっしょうけんめい走ってくるよ」 「へー くまちゃんかい?」 太陽から見ると くまちゃんも とっても小さいのです 「いや この足音は きつねちゃんだな かわいそうに なにかこまっているようだ」 長老のはなしに 答えるように 林ぜんたいが ざわざわと ゆれはじめました すると 林のむこうから 一羽のおしゃべり九官鳥が やってきて 長老の枝にとまりました 「きつねちゃんは おかあさんにたのまれて ねつを出したあかちゃんの薬をさがしているのさ」 黒いむねをそらしながら 大きな声で九官鳥が おしゃべりして とんでいきました よろよろと きつねちゃんが林の中にはいってきたときは もう太陽は 一番高いところに のぼっていました ブナの木たちが すずしい風をおくって きつねちゃんの せなかをおします 「がんばったね さあ おいで」 長老がそっと枝をのばし きつねちゃんを すくいあげました とてもつかれていた きつねちゃんは だっこされて 赤くはれた足をやさしくなでてもらったら うれしくて うれしくて なみだがでてきました 太陽が 空から やさしくわらいました きつねちゃんは 枝から枝へ そっとはこばれて 林の外にでるころには とっても元気になっていました 長老がわたしてくれた 薬をしっかり口にくわえて いそいでうちに 帰りました 人気blogランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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