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カテゴリ:読書感想
ホラーだ、ホラー!SFっていうよりもホラー!
前作よりも楽しく読めたんですが、もう怖いのなんのって!(((( ; ゚ Д ゚ )))ガクガクブルブル と、それはそれとして、大森望の言葉を借りれば「バカSFの歴史にさんぜんと光り輝く超弩級の大傑作」シリーズの第2弾ですが、バカSFとは何ぞや。 先日読んだ、「支那そば館の謎」の主人公がバカミステリについてこう語ってます。 「現実を悪意と狂気で無理やりねじ曲げ、常識から逸脱した世界に浮かぶ犯罪とトリックを、嘲笑のロジックでもって解き明かしたシロモノ」 つまりは、バカSFってのは、こう書き換えたらいいんだと思う訳です。 「現実を悪意と狂気で無理やりねじ曲げ、常識から逸脱した世界に浮かぶあらゆることを、SFのギミックでひねくり回したシロモノ」 相変わらず、小ネタが満載で楽しかったです。前作よりもこっちのが好き。 SFなんか読まないって人でも(多分)大丈夫。スラップスティックここにあり! ![]() DON’T PANIC! こっからかなりネタバレします。 前作のラストで一行が向ったタイトルにある「銀河の果てのレストラン」ですが、単に宇宙の辺境の地にあるレストランとばかり思ってたんですが、そんな単純なもんじゃありませんでした。 この宇宙の果てのレストランの「果て」とは辺境(空間)をさすんじゃなくて、終末(時間)をさしてるわけです。 レストランに行くには、未来に向ってタイムワープすることが必要で、そこでは「光子の雲が渦を巻いて荒れ狂い、赤く燃える太陽の名残を引き裂こうとする」宇宙の終末を見ながら食事ができるというわけです。 ちなみに、レストラン自身は、防御シールド付きの時間ワープとやらに支えられて、ひたすら最後の瞬間をはてしなく繰り返します。 この発想はちょっと意表をつかれました。いずれ確実にむかえる終末を、ここまで能天気に捕らえちゃうなんてねえ。さすがバカSF。 更に、宇宙の真の支配者も登場しますが、なかなか味がありました。猫と一緒に暮らしてるんですが、なんで犬じゃないの?犬のほうがかまってくれるのに……なんて思ってたんですが、もしかして、シュレディンガーの猫だったりして(笑) 他にも、ゼイフォードの記憶の謎やら、神経症のエレベーターやら地球人の先祖やら、行き当たりばったりっぽい(笑)小ネタが前作よりも満載だった気がします。 で、冒頭でホラーだホラーだと喚いてたのは何かって言うと、 レモンの香りのペーパーナプキンが届くのを待つためだけに、900年もの間、コンピュータ(自動操縦装置)に仮死状態にされ、強制的に年に一度目を覚まさせられる宇宙船のエピソードが怖すぎたから!。 目を覚ますなり、絶叫する乗客たち。終わりが見えない状態に無理やり追いやられ、なすすべもない、そんな無間地獄をさ迷うことになる乗客の描写の怖いこと怖いこと。 徒にこっちの想像力をかきたてられて、一人おののいてました。 怖っ!( ̄□ ̄;)!! あと、パラノイア気味のロボットのマーヴィンが五千七百六十億年も待ちぼうけを喰らったエピソードも怖いよ! こちらも終わりがない日々。五千七百六十億年なんて、もはや永遠と同義です。 弥勒菩薩だっての五十六億七千万年たったら出てきちゃうんだよ?五千七百六十億年ってその100だよ?弥勒菩薩も100人出てきちゃうよ! そんな中、たたずむマーヴィンの心境を慮ったりしてみたらもう、 怖っ!( ̄□ ̄;)!! (五千七百六十億年も正常に機能するマーヴィンの人工知能にも拍手喝さいではありますが。っていうか、マーヴィンって何をやっても壊れなさそう・笑) もう、ブラックもここに極まれり!下手なホラーよりよっぽど怖いよ!D.アダムス、凄すぎです。 もう、隅から隅まで楽しめました。究極の問いも判明したしね!(にっこり) 第3弾も楽しみです!☆(≧▽≦)☆! ようし、本屋さんに急げ急げ! 感想を読ませていただいた素敵サイトさま →黒にゃんこの読書日記 迷跡日録 前作、「銀河ヒッチハイク・ガイド」の感想はこちらです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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