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カテゴリ:読書感想
まってましたのリターンズ!
もう何年も、大森さんのHP(nozomi Ohmori SF page (since Mar.31 1995))に日参してます自分としては、前作のメッタ斬りも当然本になる前からチェック済みでして、本になるとのニュースを聞いた時にゃ小踊りしたもんです。 その前作は予想以上に楽しい出来栄えで、以降は毎回の恒例になったWEBでの芥川賞・直木賞メッタキリを心待ちにする日々(笑) そんな中、第2弾も出るとなりゃ、買わずにいられるかってんだ、コンチクショー。 ![]() 本読みのプロフェッショナル大森望と豊崎由美による大好評書籍「文学賞メッタ斬り!」の第2弾。スペシャルゲストとして作家島田雅彦を迎え今後の文学界について、白熱の座談会を収録。 トヨザキ女史の好きなものは好きなんだ攻撃(もしくは嫌いな者は嫌いなんだ攻撃)と大森御大の腹黒いコメント(嘘です。理性的なコメント)に、今回も大層楽しませて頂きました。 前作であんだけ各文学賞をメッタ斬って、今回はどんな趣向でくるのかと思いきや、なるほど、そうきたか。トヨザキ女史曰く、不遇のイケメン作家 島田雅彦さん※を迎えての、文学賞をメッタ斬りです。(ROUND1) 3人揃って、言いたい放題。ってか、島田さん、キッツー(笑) ※ 著者近影、確かにイケメンです。 毎度のことではありますが、トヨザキ女史の「渡辺淳一※みたいに、小説が読めないくせして選考委員を山ほど引き受けてる人もいますよね」というコメントに、「うん」と応える島田さんが素敵です。身もふたもないコメントを連発し、文学賞は福祉だと言い切るところあたりに、ゲラゲラ笑ってしまいました。 ※ 本屋で「愛の流刑地」というタイトルを見るだけで笑えてしかたありません。 だめだこりゃ、みたいな(笑) 実は、島田さんの作品はこれっぽっちも読んでないんですが、文壇の貴公子というより、 文壇のケンカ屋※と呼んでもいいんじゃないでしょうか? ※ ウィキペディアによると、「軽妙かつ不可解な、唯一無比の特異な文体が特徴で、随所 に、読者を馬鹿にする捻くれたユーモアと、エスプリが散りばめられている」 と評されてるんだとか。 ちょっと読んでみたいぞ(笑) 選評がこんなに楽しいものだったとは、と前作で目から鱗がボタボタと落ちたもんですが、リターンズもそのパワー衰えず。 相変わらず、このお二人、すごい読書量と知識量です。白状すれば、言及されてる作品はほとんど読んだことないんですが、それでも、十分、読み物として楽しい。 吼える豊崎女史を、フォローしてるように見せながら、その実、豊崎女史以上の皮肉をさりげにぶちかましてる大森さんのフィクサーぶりも健在です。 全体的な作りとしては、再録が中心。webや雑誌で発表されたものを詰め込んでありますが、その他の書き下ろし部分も含めて、前作以上に「みっしり」で、読み応え十分です。 ROUND2の「前作以降の3年分の選評、選考委員をメッタ斬り」、ROUND3の「新人作家をメッタ斬り」は一読の価値あり。 うう、自分ってこんなに本を読んでなかったんだ(泣)という文学コンプレックスも微妙に刺激されつつ、ページを捲る手が止まらなかったんですが、ROUND5はちょっと読み飛ばし気味でした。 2004年~2006年に文学賞を受賞して単行本が出版されてる作品をワールドカップ方式で競わせるという試みで、楽しいのは楽しいんですが、ろくにサッカーを知らないので、ちょっと堪能しきれませんでした。 「チーム・バチスタの栄光」(感想はこちら)はコートジボアールって言われても、正直何のことやらですわ。 巻末付録の点数斬り、リターンズにもちゃんと付いてます。プロの寸評はやっぱり違うなあ。参考にしたくてもレベル高すぎ。 ほとんど読んだことない作品ばかりですが、とりあえず、あまりにも点数の低い「あなたへ」(小学館文庫小説賞受賞)を読んでみたくなりました。大森さんが最初の3行読んだだけで落すとまで仰る、「手紙形式のポエム」らしいです。 うわあ、すげえ面白くなさそう!(笑) 感想を読ませていただいた素敵サイトさま→文学志向全開! 猛読醉書 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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