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テーマ:ミステリはお好き?(1430)
カテゴリ:読書感想
確かにライト。でもそれを上回る端正さ。やっぱりミステリは面白い!
行方不明の父親を捜すため、倉西美波はアルバイトに励んでいる。 そのバイト先で高額の借金を負うハメになり困惑していたところ、「寝ているだけで一晩五千円」というバイトが舞い込んだ。 喜び勇んで引き受けたら殺人事件に巻き込まれて…。 怖がりだけど、一途で健気な美波が奮闘する、ライトな本格ミステリ。 主人公の美波ちゃん、すぐ泣きます。ちょっとしたことで涙腺決壊してます。 悔しくても泣く。悲しくても泣く。 そうそう、これくらいの年齢のころって、ちょうど世間から甘やかされてるので、ちょっときついこと言われるとすぐ泣いちゃうんですよ。かく言う私も、中学高校のころは、強面の人にちょっと注意されただけでピィピィないてました。 で、社会人になってからは、泣かせる方になってしまい、うっかりバイトさんを泣かせてしまいおろおろしたこともあります。だって、二十歳もとうに過ぎてる人が、定形外に80円切手貼ったり、返信はがきの名前に付いてる「行」を「様」に書き換えずに投函しようとするとは思わなかったんだもん。 という関係ない話はさておき、主人公は特殊な能力を持ってるわけでなく、特別に美人ってこともなく、お金持ちでもなく、いわゆる「等身大」です。 そんな等身大の女子高生にとっぴ(=トンデモ)なバイトをさせる当たり、掴みはOK! そして、トンデモなままストーリーが進むのかと思いきや、謎の手がかりはフェアにちりばめられてまして、事件をキレイに収束させていくさまは、まさしく本格ミステリの醍醐味でした。 やっぱ密室はミステリの華ですね\(^▽^)/ 元は富士ミスだったのをレーベルを変えての再刊行とのことですが、この企ては成功なんじゃないでしょうか。 富士見ミステリー文庫版→ この富士ミスとか、その他、集英社ダッシュ文庫とか角川スニーカー文庫とか電撃ゲーム文庫とかって、いい年こいてるとなかなか買うのに恥ずかしかったりしますが、それだけでこうゆう良質なミステリを読み逃すのは勿体無いです。 それが(例え装丁がかなりかわいらしくても)創元推理刊行ってだけで、手に取りやすくなりますから♪ ちなみに、私は恥ずかしいというのは通り越してるので、何でも平気で買います(笑) ミステリとしても十分楽しめますが、元ライトノベルレーベルから出てるだけあって、キャラクター小説としても十分楽しめるあたりはさすがでした。 主人公の前向きなところは読んでてとても気持ちいい。人見知りな上、ちょっとつつかれただけですぐに泣いちゃうとこは、あの年代のリアルを感じられて、とてもかわいらしかったです。 その他、超美形な隣人の修矢や江戸っ子な直海、元華族のお嬢様なかのこ、浮世離れした(?)母親などなど、どのキャラも、一癖もふた癖もあって楽しかったですが、私的にはワンコ(モネ)とニャンコ(ケンゾウ)が最強でしたw。 種族を超えた愛に興味津々です(笑) 書き下ろしの短編も楽しい。面白いこと考える作者さんだなあ、と素直に感心。 これこそ、ミステリランドで刊行したら、ちびっこどもにミステリの楽しさが分かる入門書としてちょうど良かったんじゃないでしょうか。………なあんて思ってもみたりして。 ライトノベルの体裁ではあれど、しっかりミステリしてます。やっぱりミステリは面白い! あっさり読めますので、ミステリに馴染みがない方でも読みやすいはず。お勧めです\(^▽^)/ 続きも出てるようです。 これは買って読まねば! 感想を読ませていただいた素敵サイト様 →たこの感想文 booklines.net 積んどく?読んどく? 一本足の蛸 Σ(´д`ノ)ノLinuxなんて大嫌い! 猫は勘定にいれません お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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