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2010年02月27日
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テーマ:銀魂(1187)



ぽっぽさんから、吉原編直後くらいの神威&阿伏兎さんのSSを頂きました。

この二人は単体のときよりセットの方が大好きです♪





【笑顔が怖い】


「それで?」
宇宙空間に漂う幾つかの船。その中心を飛ぶ大型の船のある一室で、
マントを頭まで被った連中がぐるりと、神威と阿伏兎の周りに弧を描いている。
「同盟を結ぶことは出来ませんでした」
阿伏兎が言った。
皆はひそひそと、隣同士言葉を交わし始める。
「でも大丈夫ですよ」
話がピタリと止み、全員が神威に視線の先を向ける。
「大丈夫とは、どういうことだ」
「俺がぶっ殺しといたんで♪」
彼らの間に、隠しようの無い衝撃が走ったのが分かった。
神威は、その無邪気にも見える笑顔を崩す様子は無い。
阿伏兎は見えないように、肘で軽く神威を小突いた。
腕の辺りに感触を受けた神威は、阿伏兎の方に顔を向けて言う。
「何、阿伏兎?」
阿伏兎は目を伏せて溜息をついた。
自分のマントの下から残った右手を出し、こめかみに置く。
「阿伏兎、何?」
神威はもう一度言った。
「何かあるのかね? 阿伏兎」
二人を囲む連中の一人が言った。
「いえ、何も」
阿伏兎が答える。
「何か後ろめたいことでもあるのではないか?」
別の一人が意地悪く言う。
ざわざわと、笑い声や野次を交えながら、連中は再び会話を始める。
「話し合いの体裁は取りました」
「では何か? 鳳仙が突然戦闘を始めたとでも?」
影の落ちた顔に手をあてて、一人が冷やかすように言う。
「はい」
阿伏兎は答えた。


部屋を沈黙が覆った。
神威と阿伏兎もそれぞれにマントを羽織り、体全体がすっぽりと包まれている。
二人の前に立ちはだかっているのは夜兎だけではない。
異なる星から集まった、異形の者も交えた得体の知れない集まりが、二人に視線を注ぐ。

「…臭うな」
中の一人が口を開く。
「鳳仙が戦闘に踏み切った時のことを具体的に話してみろ」
「エロジジイって言ったらブチ切れ…」
阿伏兎が上から思い切り頭をはたいたせいで、神威の言葉は途切れた
部屋に不穏などよめきが走る。
「さっきから何なのさ」
神威は片手で脳天を押さえながら、恨みがましい目を斜め上に向ける。
「頼むからもう喋らないでくれ」
阿伏兎はそちらを見ることなく、疲れ切った様子で言った。

「ま、まぁそれはいいとして」
連中の一人が咳払いをして話し始めた。
神威はまだ阿伏兎の方に目をやりながら、話に耳を傾ける。
「結果としては何の問題もない。二人には褒美をとらせよう。何か望みがあるなら言ってみろ」
「吉原を」
間をおかずして、阿伏兎が即答した。
「…何?」
「吉原の全権を隊長に」
阿伏兎は繰り返した。再び動揺が部屋の空気を支配する。
弧の中心の人物は阿伏兎を上から覗き込む。
時間が経つのが遅くなったよう気がした。

「いいだろう」
残りの連中を見回し、全員が頷いたのを見て、中心の男が言った。
阿伏兎は肩を下ろし、頭を下げた。
背後から大きな手に促されて、突っ立っていた神威も同様に頭を下げる。
横目で阿伏兎の顔を見ると、それに気づいたのか、
一瞬だけ目が合った後、阿伏兎はゆっくりと顔を起こした。


部屋を出ると、阿伏兎は無言で足早に歩いた。
神威はそれを追いかけるように、隣を歩く。
背の高い男の広い歩幅は、神威とは中々噛み合わない。
「何で吉原なのさ」
歩きながら神威が尋ねたが、阿伏兎は無言で歩き続けた。

ある一室に辿り着くと扉を開き、阿伏兎は中に神威を押し込んだ。
すぐに扉と鍵を閉めると神威の方に向き直り、話し始める。
「馬鹿かアンタは。折角上を誤魔化せたのによ。
あんな無用心に話して聞かれたらどうすんだ、このスットコドッコイ」
神威はポンと手を拳で叩き、納得したように頷いた。
「で、何で吉原なのさ。あんなトコいらないよ俺」
部屋の中央にどっかりと腰を下ろし、胡坐を掻く神威の横で、
阿伏兎はマントを脱ぎ、隅の方にほうり投げた。
「アンタが管理してりゃ、他の連中は手を出さない。事の真相が知れることも無い」
神威は口をOの形に開き、足の先を掴んで、体を揺り篭の様に前後に揺らす。
「成る程。頭いいね♪」
神威はアホ毛を揺らし、陽気に言った。

阿伏兎が戸棚から缶を一つ取り出し、中の葉を急須に入れていると
扉が開く音がして、神威は姿を消していた。
そのまま湯を注いでいると、突然何かがぶつかる大きな音がして、
阿伏兎は自分の足に、危うく湯をこぼすところだった。
見ると、外から扉を開けた神威が顔を覗かせている。
「何なんだよ」
阿伏兎は台の周りにほんの少しこぼれた湯を拭きながら言った。
「お礼言ってなかったなと思って」
神威は目を細めて笑う。
「ありがとね」
再び扉が閉まり、足音が去っていった。
壁から、恐らく扉のぶつかった所が、砕けて小さな破片が幾つも地面に落ちた。


阿伏兎は急須から湯のみに少し濃い目の茶を注ぎ、
腰を下ろすと静かに口をつけ、独り言を呟いた。
「明日、槍とか降ってくるかもな…」






【完】



「銀魂」 神威&阿伏兎なるほど!阿伏兎さんにはお茶が似合いますね!☆(≧▽≦)☆!

っつか、阿伏兎さんの「スットコドッコイ」が激しく大好きなので、SSにちゃんと組み込まれてて感動しました。さすがぽっぽさん、私のストライクのツボをよく心得ていらっしゃる。l-_-l_ _l-_-l_ _l ウンウン

年下の上司に振り回されて、年上の部下がフォローの達人っていう関係はなんかこう、乙女心をくすぐられるところがありますよね♪←乙女心?

阿伏兎さんの大人の男オーラがダダ漏れなSSに、すごくドキドキさせていただきました。


ぽっぽさん、ありがとうございました!☆(≧▽≦)☆!



SSはこちらにまとめてます。⇒【頂き物(ss)】



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最終更新日  2010年02月27日 16時17分41秒
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