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2010年03月07日
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テーマ:銀魂(1187)



ぽっぽさんから、晴明さんと東城さんのSSを頂きました。

なんでこの組み合わせかって言うと、ぽっぽさんに頂いた東城さんハピバSSの時に

東城さんと晴明さんの会話がすげぇ読みたいです!!

銀さんと土方さんのうちのコ自慢も大好きなんですが、この二人も会話もめっさ
うっとうしそう……ゲフンゲフン。すげぇ楽しそうです。いいなあ、それ。それ、いい!


っていうカオスなことを口走った私のせいです。<o( ̄^ ̄)o> エッヘン!!





季節の変わり目。
永い眠りから木々が目を覚まし、柔らかな桃色の花を咲かす。
そんな華やかな一時。
古来より人々は、女子が麗しく、健やかに育つよう願をかけ、祝うのだ。



【ひな祭り】



中央に像のある公園を抜けて、一つの店に東城は足を踏み入れる。
あちこちで見かける雛人形。それに肖った企画品。
決戦の日は間近。
この中から、東城は九兵衛に最も相応しい物を見つけなければならない。
ゴスロリ衣装は駄目だ。普段とは違った趣にしなければ。
菓子などという安易な選択に逃げるのも、自らのプライドが許さない。
東城は普段開くことの無い糸目を開眼し、物品を見定めに入る。

同時刻。長い後ろ髪を一つに縛り、顎に手を当てて考え込む男が一人。
仕事着を脱ぎ捨て、私服に身を包んだ晴明が、女物の着物を前に立っている。
サイズは分かっている。後は選ぶだけ。
だが、お天気お姉さんとはいえ、クリステルは芸能人。
凡ゆる服を圧倒しつつも、目立ち過ぎず、鮮麗な服を選ばねばならない。

晴明は目を閉じた。都内に放った式神達の眼を通し、今期の流行を探る。
やがて晴明は眼を開き、前に並ぶ着物の一つに手を伸ばした。
が、その時右隣から差し出されたもう1本の腕によって、それは阻まれた。
東城は着物を掴み取ると、舐めるようにその着物を見る。
そして普段の糸目に戻ると、その着物を持ってレジに向かおうとした。
晴明は慌てて、後ろから東城の肩を掴んだ。
その柄は、もう棚には残っていなかったのだ。
「…何か?」
東城は言った。
「その着物、譲ってはもらえぬか」
東城は自らの手にある着物と晴明を見比べた。
やっと見つけたこの着物。有象無象の中から探し出した一品。
それをこんな初対面の、それも男に、譲れるわけが無い。
「申し訳ありませんが、それはできません。では…」
東城は晴明に背を向けた。が、晴明は掴んだ肩を離そうとしない。
振り返ればまるで侍のような、真っ直ぐな目をした男が自分を見ている。

しかし、東城は自分の使命を優先させた。
晴明の腕を瞬時に振り払い、歩を進める。
しかしその直後、東城の足はまるで地面に吸いつけられたかのように、固まって動かなくなった。
「こ、これは…!?」
晴明はゆらりと歩いて、東城の前に立ちはだかった。
「こんな真似はしたくなかったのだが、やむを得ぬ。悪く思わないでくれ」
そう言って、晴明は東城の手の着物を掴んだ。
しかし離れない。東城は憤怒の表情で、手の筋肉を震わせている。
晴明は仕方なく印を結んだ。すると、東城の手の平は開かれ、着物が滑り落ちた。
床に落ちる前に晴明はそれを受け取ると、くるりと背を向けた。

「待て貴様。人が先に取った物を横取りとは武士、いや人間の風上にも置けぬ。
少しでも良心があるのなら、戻ってくるがいい」
東城は叫んだ。周囲の客や店員も数人、こちらを見た。
その言葉に晴明は立ち止まると、動けないままの東城の前まで戻った。
「本当にすまないと思っておる。だがコレばかりは譲れないのじゃ。
分かってくれ。ワシの為ではない。妹の為なのじゃ」
東城はギリギリと体中の筋肉を強張らせながら、晴明に向かって吠えた。
「私が自分の為にコレを買うとでも思っていたのですか?
これは私が幼少よりお仕えしてきた、娘の様な、妹の様な、そんな我が主への贈り物なのです。
健やかに、女の子らしくなって欲しいという渾身の祈りを込めて!!!」
晴明は東城に僅かに気圧された。
腰に挿した刀から、東城が侍であることは見て取れた。
加えて、毅然とした立振舞い、一部の隙も見せない動き。
只者では無いことが、武士の世界には通ずることの無い晴明にも解った。

ふと、東城は体制を崩した。
突然体が軽くなり、自分を纏っていた何かが消えたのが解った。
東城は晴明を睨むと、その手の着物に自分の腕を伸ばした。
その素早い所作をかわすことはできなかったが、晴明は着物を離すことは無かった。
「…何の真似ですか?」
東城が言う。晴明は両手で着物を握り締めている。
こちらも両手にしてもう少し強く引っ張れば、取ることはできるだろうが、
同時に着物も破れてしまうかもしれない。
それは何としても避けなければならない。
「譲る気になったのではないのですか?」
「そうでは無い。ただ、話し合おうと思ってな」
晴明は答えた。
「話し合うも何も、私が先に取ったと言っているでしょう」
「先に見ていたのはワシじゃ」
二人は睨み合う。
ピリピリとした空気がその辺り一体を覆い、客も店員も遠巻きにそれを眺めた。


「若は…」
やがて東城は溜息をつくと、手の力をほんの少しだけ緩め、語りだした。
「複雑な事情から男として育てられたのです。だがその実は誰よりも女子らしい女子。
しかし育った環境故にそれを上手く表に出せない。
10代も終りに近づいて最近ようやく、女子の服を着たり、
料理をしたりするようになってきたばかりなのです」
晴明の目に衝撃が走った。
そんな深い事情があったとは。
晴明は俯き、その両の手の力も、少しだけ緩んだ。
「譲ってくれますね?」
東城はそう言って、優しく布を引っ張った。が、取れない。
この期に及んで。
そう思って晴明を見ると、俯いたその顔から、言葉が紡ぎ出された。
「…妹はある人物の恨みを買ってしまった。もちろん妹の所為ではないが。
それは仕事にまで影響した。公衆の面前で人々から物を投げられ罵倒されたこともあった。
妹の心はずっと土砂降りであった。
ついこの間の事だ。その人物と和解し、妹が心から笑ってくれるようになったのは」
東城の脳に激震が走った。
そんな重い話が隠されていたとは。
「すまぬ」
晴明はそう言って、布を引き寄せようとした。が、動かない。


再び、二人の間の空気が張り詰めていく。
目には影が落ち、腕には血管が浮かび上がっていく。
「嬉しいのぉ、解ってもらえて」
「すみませんねぇ、譲ってもらってしまって」
二人の間で鮮やかな着物の柄が宙に浮かぶ。
引きつった笑顔が、互いの瞳の中に映る。
「ちょっと離してもらえますか。これじゃ会計ができないのですが」
「何を言っておるんじゃ。金を払うのはワシじゃろうが」
二人の額に一筋の汗が流れる。
「いやいや気持ちは嬉しいですけどね、こう見えても私セレブなんで」
「いやいやいや無理するな。そちら従者であろう? その点ワシは当主だから」
「…いい加減にしろよ、お前」
「それはコッチのセリフじゃ」


束の間の沈黙。
直後東城が刀を、晴明は服を持ったまま手を印の形に結んだ。
振り上げられた刀を、光が押し戻している。
そのまま、刀と光の目にも留まらぬ攻防が始まった。
光は周囲を明るく照らし、店員も客もこぞって逃げ始めた。


「だいたい妹ってもどうせ不細工だろーがァァァァァ!!!
こんな着物、豚に真珠だろーがァァァァァァァ!!!」
「ふざけるなァ!! クリステルめっちゃ可愛いから!! 芸能人だから!!
ファンクラブあるから!!! 不細工はそっちじゃろ!!」
「若への侮辱は許さん!! 若の可愛さは世界一じゃァァァァァァ!!」
「黙れェ!! このロリコンがァァァァァァ!!! クリステルのが可愛いわ!!!」
「何なら写真見せてやろうか? 絶対若のが可愛いもんね!!」
「ほざけ! 後で吠え面かくでないぞ!!」

二人は懐からそれぞれ写真を取り出し、見せ合った。
「「・・・・・・・・・・・・・」」
数秒後、晴明が勝ち誇ったように高笑いをした。
「ふはははははは!! どうやらクリステルの勝ちのようじゃな」
「何を言っているんですか? 誰がどう見ても若の圧勝じゃないですか」
「貴様…まだ負けを認めぬか」
「それはこちらの台詞です。一体それの何処が美人だと言うのです。
貴方の目は節穴ですか?」
「…ロリコンも其処までいくと凄いの。男色家の気もあるのではないか?」
「…何か言いましたか?」
「いや、趣味の世界に口出しする気は無い。
クリステルの魅力が解らぬとは気の毒だと思っただけじゃ」
「そうですか。大分頭が可哀想な人だと見える。ついでに目も…」
『ビリッ』



二人はピタリと動きを止め、間で握り締めていた着物を見た。
それは、真っ二つに裂けていた。
いやそれ以前に、ずっと握りながら闘っていた所為で、
二人の手汗、晴明の光による焦げ、東城の刀による切り傷。
見る影も無くなった憐れな残骸が、其処にあった。







「「・・・・・・・・・・・・・」」






【完】





本編で接点がないにも拘わらずこの完成度の高さ!!

ぽっぽさん、無理を聞いていただいてありがとうございました。

じゃあ、次は江戸を護るもの同士ってことで、警察庁長官の松平のとっつぁんと晴明にィにィの会話を………すみません。嘘です。冗談です。そんなカオスなリクエストなんて恐れ多くてできません。

ちなみに、メールにあった

「東城さんは普通に晴明さんには敵わない(というか武士が陰陽師に勝てるとは思えない)と思うけど、そこはそれ。
でも武士な訳じゃないから、銀魂キャラ腕相撲大会とかやって、晴明さんが一回戦でザキとか新ちゃん辺りに、瞬殺されたりしたら楽しいなぁーと思いました(笑)」


がすごいツボだったんですが、純粋な腕力勝負でいったら、屁碇絽さんの圧勝な気がしないでもないっていう(笑)

ぽっぽさん、ありがとうございました!☆(≧▽≦)☆!

ちなみに、真面目なリクエストは、真面目にゆっくり考えさせていただきますm(_ _)m



SSはこちらにまとめてます。⇒【頂き物(ss)】



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最終更新日  2010年03月07日 13時55分20秒
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