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2012年03月11日
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テーマ:銀魂(1187)


久しぶりに、銀魂二次創作SSをいただきました!☆(≧▽≦)☆!

ワーイ\(゚▽゚=))/…\((=゚▽゚)/ワーイ

タイトルにあるとおり、万事屋&山崎……っていうより、銀さん&山崎です♪

(※楽天ブログの文字数制限10000字を微妙に超えちゃったので、2分割です)




好きだとか可愛いだとか、そんな甘っちい関係なんかじゃねぇ。
そう言いたいところだが、実際はそういうところがないわけではないし、他にうまく言おうにも適当な言い回しが浮かんでこない。
長く一緒にいるうちに随分と馴染んでしまって、もう戻れそうにもない。
かと言って、甘いばかりの関係でもない。
多少苦かったり、塩辛かったりするくらいが甘さも引き立つというものだ。
それに、この関係を守るためなら、そうすることで守れるのならば、どんなことだってしてやる覚悟もしているし、実際にそうした。その覚悟をくれたのも仲間だ。
確かなのは、今がとても手放しがたく居心地が良いこと。
そして、この形はそう遠くない将来に変わる、決して悪い方にではなく。
これは確信で、願望で、決意だ。
己に託された想いの重さを嫌と言うほど知っている。
面映ゆく、厳しく、有り難く、恐ろしい。
それも時と、人と、ちょっとした(時々ちょっとしたで済まない)事件の数々を通して、腹に落ちた。
背負うばかりしようとしてきたあの日から、背負うことも避けてきたあの頃から、比べて今は時に背負われすらしながら、対等なはずだった‘同志たち’よりもひょっとしたら頑強な絆のようなものを築いてしまったのかもしれない。
まったく、この町には感謝を惜しむことができない。まあ、幾分厳しく、かなりとえげつなかったりするが。


酒とツッコミとボケと太陽


ここは、お江戸はかぶき町、の中でも極めつけに下品で太陽よりもよほどネオンが似合う善男善女なら決して近づいたりはしないだろう如何わしい界隈…のそのネオンすら届かないごみ捨て場。
そんなもんだから、はっきり言ってよく見つけられたものだと我ながら感心する。
何を見つけたかというと何かと縁のある万事屋の旦那だ。
まあ、最初はぼろ布団くらいにしか見えなかったんだけど。頭も灰色みたいな白髪だし。
「一応知り合いだから声かけるんですけどね。旦那、こんなとこで何してるんで?」
音量控えめにかけた言葉に、旦那は一瞬驚いたようにして、次の瞬間にはばつが悪そうに、最後にはふてぶてしいのか仏頂面なのか判りづらい顔でごみに埋もれたまま明後日の方向を見る。
「迷子。」
簡潔な答えはある意味見たままだが。
「かぶき町で迷子になるなんて、万事屋の旦那ともあろうお人がねぇ。」
ちょっと嫌みみたいななのを言ってみたりして。
「あの子達はどうしたんで?心配してるでしょ。」
怪力の女の子と普通の、なんだか親近感の湧く男の子。旦那のお仲間で家族みたいなもんだと理解している。
「神楽がお妙んとこに‘ほーむすてい’するとかってんで、新八にも3日休みやってる」
「ああ、それで羽目を外してこうなったと。旦那も懲りないっスね。」
実は以前もこんな風に道端に転がっている旦那を見かけたことがある。ここよりかは大分マシなところだったから放っておいたのだが。
「でも旦那、ここはちとマズい。あの子達のこと思うんならさっさと帰ってくださいね。」
「そう言うアンタは張り込みかなんかかよ?」
ばつが悪いのか悪い酒のせいなのか、旦那の口調はいつもより柄が悪い。ウチの副長みたいだ。
「まあ、そんなところです。あんまり仕事増やさんでくださいね。」
旦那がホトケになって見つかったりしたら俺の仕事が増えちまう。
という意味を正しく理解してくれたようで、旦那は行儀悪く、ちっと舌打ちして、
「それがオシゴトだろーが、税金泥棒さんよ。」
と毒づいてくれた。ならばと、もうひと振りしてみることに。
「一応、俺も逮捕できるんスけどね。江戸でも一等の監察、山崎退の眼は誤魔化せませんぜ、“松下村塾の鬼っ子”さん。」
これには旦那もいい反応をしてくれた。
酔っぱらって、ただでさえいつもから閉じがちな目がほとんど線みたいになっていたのに、珍しいことにビー玉みたいにまん丸くなって俺の顔を凝視してくれたのだ。
「なるほど、真選組は、少なくとも監察は伊達じゃねぇってワケね。」
先日の件でウチの上司たちも旦那が元とはいえ攘夷志士の中でも二つ名を持つほどの大物だったと知ってしまった、というか知らないふりができなくなったわけだけど。俺はさらに調べを進めてあったから、旦那の経歴もある程度までは掴んでいる。
そんなわけで少し披露してみたわけだけど、驚愕からすぐに微妙な色を載せた半眼になったのを見て、ちょっと後悔した。そこにはかなり苦く辛そうなものがあると監察たる俺の目が読み取ってしまったから。
こうなればこれ以上立ち入るのも無粋だし、まだ仕事の最中だ。
「ま、ともかく悪いことは言わないんで、さっさと帰ってくださいよ。」
「アンタも帰るところがあるんだろ。あんま危ない綱渡ってると泣きを見るぜ。」
そんなツラで結構ヤバイところまで立ち入ってるって話は聞いてるよ、と逆に俺を気遣ってくれるのが、かえって申し訳ない気持ちになる。
「ウチの副長は人使いが荒いんで。」
大変なんです、と努めて笑ったら旦那はそうかい、と何故か微笑んでくれたようだった。
「それじゃあ、ご忠告通り帰るとするかね。」
そして、よろよろと立ち上がり、パンパンと服についた埃をはたく旦那に、
「良かったら、迎え酒に一杯どうですかね。一杯なら奢りますよ。」
気づけば何故かそんなことを言っていた。

「一杯だけっつーならとびきりのを頼まないわけにはいかねーよな♪」
多少はまともな界隈に戻ってきて、最初に目に留まった店に入ると二人がけの卓にさっさと陣取り、ウキウキとお品書きを眺める旦那はかなり子どもっぽく見える。
「一杯ですよ、一本じゃなくて。」
「ち、なんだよケチくせぇな。」
「さっきまであんなに酔っぱらってたっていうのによくそんなに飲む気になるよなぁ」
「タダ酒なら吐いても飲むに決まってんだろーが。」
「いや、吐かんでください。」
そんな他愛もないことをしゃべりながら、どうして万年金欠らしいこの旦那がしょっちゅう酔い潰れるほど酒をたしなめるのか分かった気がした。こんな風にして酒を奢らせてしまう何かがこの旦那にはあるようだ。
「んで?なんか話があんだろ?」
「いえ、別に」
少しはいつもの調子を取り戻してくれたみたいでホッとしたし。
「そうかい?そんならこれ飲んだら帰るぜ。」
アンタも仕事があんだろ、と言われるとその通りなのだが。
「なんであんなとこに?」
「さあ?気づいたら寝てたんだよ。頭痛はしねぇから、それほど飲んじゃいないと思うんだけどよ。ま、よくあることだよ。」
適当にモジャモジャ頭を掻きながら面倒そうに旦那はそう言うが。
「そうですかい。俺はてっきり自殺志願者かと思っちまった。」
「んなわけねぇだろ。扶養家族、どんだけ抱えてると思ってんだよ。」
やれやれと、わざとらしいため息なぞ吐く旦那に、俺も大真面目な顔を作る。
「旦那が被扶養家族じゃなかったんですかい。」
やや間があって。
「お前、結構クセあるよな。」
「沖田隊長ほどじゃないですよ。」
「まあ、ジミーズだし、ぱっつぁんに似たようなもんか。」
「姐さんとこの新八くんですか。」
得心がいったと言いながら旦那が引き合いに出してきたのは、俺のどうしようもない上司がストーカー行為を繰り返しているキャバクラ嬢の弟くんで、さっき親近感が湧くと言った旦那のお仲間の男の子だ。
「ああ。地味だろ、アンタら。」
「隠密には誉め言葉ですけどね。」
「そういうもんかねぇ」
「旦那は不思議なお人ですよね。自由というか、物好きというか。ウチの内輪揉めにまで首突っ込んで。」
「別に好きでやってるわけじゃねえよ。関わっちまったもんほったらかしてとんずらこくのが寝覚めが悪いってだけだ。」
さして興味もなさそうな様子にはちょっとだけ苦笑する。
「やっぱり、旦那は奇特なお人だ。」
ウチの上司たちみたいで危なっかしいが、面白い。
「ち、なんかあれだな。こんなこと話すもんじゃねぇのに…悪い酒のせいかね。」
「かもしれませんね。」
残りわずかになったコップ(グラスなんて洒落た言い方には似つかわしくない)の中身を煽り、
「つーわけで、旨い酒で迎え酒は済んだから帰るわ。」
ガタっと行儀悪く立ち上がった旦那を呼び止めたのはこちらの都合だ。
「ねぇ、旦那。」
まだ何かあんのかよ、と見下ろす瞳にとびきり胡散臭い笑顔を向ける。
「ウチは、局長・副長始め粗忽な連中ばかりですけど。皆感謝してますよ。最近じゃ鉄くんのこと、本当にありがとうございます。」
癖なのだろう。頭を掻きまぜぶっきらぼうに、
「…なんも出ねーよ。」
そう言う旦那の居心地が悪そうな様子に満足する。
「知ってます。それにお互い様ですしね。まあ、旦那は今も昔も奇特なお人だったってことで。」
「へいへい」
「旦那。ウチは直接関わっちゃいませんが、かぶき町で派手にドンパチがあったのも、旦那たちが一時期姿眩ましてたのも承知してます。でも、またぞろでかいのが来そうな雰囲気で。アンタらの強さはよく知ってますから、俺がどうこう言いやしませんがね。あんまり子ども達を泣かせんでくださいね。」
成長期とは、言い換えれば多感で情緒も揺らぎやすい時期だ。
「余計なお世話だって言いたいとこだけどな。」
情けねぇ、と旦那は呟くけれど。
「優しい子達ですね。」
「何でこんなことまでしゃべらせちまうかね、アンタは。」
「大江戸一等の監察ですから。」
気持ちふんぞりかえって、その実内心は副長にサボりだとどやされるだろう近すぎる未来を心配し始めていた…。





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最終更新日  2012年03月11日 14時38分23秒
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