節句と暦のお話
吉浜人形では、お節句を旧暦の暦まで楽しんで頂く事を推奨します。なぜなら日本の四季を楽しみながら、ひな祭りや端午の節句をお楽しみになれるからです。 旧暦とは「太陰太陽暦」のことを言います。 太陰太陽暦は日本において、明治5年(1872年)まで古くから長きにわたり使われてきました。福澤諭吉さんの提唱で、日本政府がこの年から今のいわゆる「西洋暦」を使うようになり、みんながこれを「新暦」と呼ぶようになりました。こうしてそれまでの暦は自動的に「旧暦」と呼ばれるようになったのです。日本古来からあった四季の移ろいを反映した暦(こよみ)を世界基準(グローバルスタンダード)に合わせることによって、季節を感じ身近な自然の変化を日本人は意識しづらくなっていきました。今の暦と旧暦では、季節が1ヶ月から1ヶ月半ずれています。暦では春夏秋冬の四季を更に細分化し、節目となる五節句、二十四等分した二十四節気、七十二等分した七十二候という、季節の移ろいを生活と情感に合わせて楽しんだ名残が残っています。現在でも和歌や俳句の世界では季語季題を旧暦で日本の四季の変化を見たままにとらえ、情感を楽しんでいるのです。温故知新、四季とともに発展した日本の文化をあらためて最大限楽しんで頂ければ幸いです。ひな祭りを旧暦にすると?2013年は4月12日になります。桃の節句にふさわしく、身近なところではお花見など、春を楽しみ始める時期と合致します。ちなみに3月3日におひな様をしまわないとお嫁に行き遅れるという話がありますが、これは「しつけ」の一環から生まれた都市伝説です。ひな祭りの歴史、意味合いをとってもまったく関係ありませんので、お気になさらず、季節を楽しみながら、長く飾ってあげて下さい。端午の節句は?2013年は6月13日になります。菖蒲の節句にふさわしく、菖蒲の葉がたくましく伸びている時期です。また梅雨に入る前の時期であり天候に恵まれる日も多く、文字通り五月晴れのこいのぼりを揚げるのにぴったりの季節になります。日本には春・夏・秋・冬と「四季」があります。様々は日本の文化は四季を楽しむ事から生まれました。是非、4月半ばのひな祭り、6月半ばの端午の節句を体験してみて下さい。そしてお子さまとともに、日本人の情感や自然への感謝をあらためて楽しんでいただきたいと思います。