2007/01/15(月)20:16
胡蝶の鏡(篠田真由美)
「建築探偵シリーズ」の第3部が始まった。
篠田真由美の「胡蝶の鏡」は,もと堂上公家末裔のお姫様,現在ヴェトナムで妻・母として過ごす四条彰子の話を軸にして展開する。
彼女が親の反対を押し切ってヴェトナム人青年と結婚する経緯には栗山深春,桜井京介もかかわっており,今回京介は日本とヴェトナム,明治末年(1912年)と(太平洋戦争,ジュネーブ協定,サイゴン陥落を経た)現代に織りなされる謎を「鏡」をキーワードに解決することになる。
残りの部分は本を読んでくださいね ( ^ー^)。
あ,あと,「河村千夏」というのはすごくおもしろいキャラでした。ちょっと離れているけれども,今後も顔を出してほしいなと思います(ってややネタバラシ気味ですが「謎」や「事件の展開」には影響しないと思います)。
ところで,本書は新しいシリーズの開始を宣言するかのように桜井京介の独白で始まり,栗山深春の独白で終わる。
著者は「あとがき」で,この部分と「建築探偵挙動不審」の前半は興味がなければ「斜め読み」でかまわないと書いているが,いえいえ,こここそ興味津々の部分なのですよ。
論文を書き終え,それをどこに提出するのでもなく,なぜ自分が「グロテスクな混血の子」として生まれてきたかを知るためにこの論文を書いたといい切る京介。ジムに通い,料理・選択などの家事をし,すっかり朝型に切りかえてしまった京介。
そんな彼に,深春は『桜井京介』が自分たちの「共有財産」であり,「自分を駒にしたゲーム」をするなと忠告するが,胸の中に「かすかな不安の火種」をくすぶらせている。
「胡蝶の鏡」については,
himebun05さん,
春蝶亭多門さん,
kemeko09さん,
Pecky みどりさん
の記事もごらんください。
さて,今後どういった展開になるのでしょうかねえ。
記事投稿後に見つけた日記 Fuwa*choco(yuki*orangeさん) 蒼猫のまったり萌えな日常(蒼猫206さん) いろんなことを忘れないために(dai583さん)
時代,場所,登場人物などをフリーページの篠田真由美メモ(胡蝶の鏡)に簡単にまとめてありますので,ごらんください。
篠田真由美の他作品はについての日記は,フリーページ 読了本(日本) (篠田真由美)からごらんください。
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