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あれこれ備忘録 ホスピス医のこころを支えるもの

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粗忽のたかびー

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2022.12.25
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カテゴリ:緩和ケア

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さて、診察である。
ホスピスでは入院時の診察には、ご本人が嫌がらない限り家族に立ち会って貰っている。身体の変化をみて貰うためだ。

まず視診。心窩部が膨隆、鳩尾の辺りが盛り上がっていた。肝臓、胃が腫れていることを示唆していた。

また、打診では胃内にガスが溜まっていた。恐らく胃の出口から十二指腸が肝臓の腫れやリンパ節の腫脹によって圧迫されている可能性が考えられた

触診では右の季肋部で肝臓を触知した。そして呼吸性に痛みを生じた。

12/8に診察した時はそんな所見はなかったので、この16日間で肝臓がんが相当大きくなり、肝臓自体が大きく腫れることになり、そのために胃や十二指腸が圧排され、食べ物の通過障害をきたすことになり、痛みや吐き気が強くなったのてあろう。

そのように包み隠さず説明した。
本人も家族も「よく分かった。食べられないのも吐き気が起こるのも癌が悪くなっているから、と言われただけではイメージがつかなかった。」

ノバミンという抗精神病薬が不安を和らげ吐き気を抑えることが出きる。
ステロイドホルモン剤は、癌が作る炎症や腫れを抑えることが出きる。
そしてオキシコドンという麻薬であれば、吐き気は少なくなるかも知れない。

そう説明した上で、その3種類を処方した。一時間後には痛み、吐き気はほぼ消失した。

病状や薬の効能を教えて貰えて不安な気持ちから解放された。癌が悪くなっても麻薬をきちんと使えば楽になることも分かった。ホスピスにきて良かったです、と言ってくれた。

後医は名医、という言葉かある。
前の医者の説明が足りないがために患者さんが不安に思った点を、後の医者は補足説明するだけで患者さんに安心を与えることが出きる。

これは漫画、スーパードクターKで学んだ私が大切にしていること。
情報不足から患者さんは不安に陥るので、その不安を解消するために診察や検査をして、正しい情報を過不足なくあたえること、が良いことだと思って続けている。





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Last updated  2022.12.29 07:07:39
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