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あれこれ備忘録 ホスピス医のこころを支えるもの

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粗忽のたかびー

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2022.12.28
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カテゴリ:緩和ケア
70代、肝細胞がんでホスピスに12/24に入院となった患者さんの話の続き。

入院日をday1としたら、今日はday5。

痛みからも吐き気からも解放され、夜も眠れるようになり、毎日大便も出るようになった。
食事も少しずつ食べられるようになってきた。
ただ、トイレに立つには看護師の介助がまだ必要としているよう。

生活の辛さが減り、余裕がでてきたのか、家族へのLINEの回数も増えているようだった。

書き忘れたが患者さんは女性。
入院するまでは、ほぼ同い年の夫と二人暮らしで、癌を抱えながらも家事一切をしていた。

夫から「そんなに調子が良いなら年内に退院できそうか?」とLINEがきたらしい。

それを読んで彼女の一言。
「娘に聞いたら、お母さんがいなくて、炊事、洗濯、掃除と一人では大変やから助けに来て、と夫は娘に言っているらしい。今のままでは家事は出来へん。もし、お父さんがそれを期待しているなら帰られへんなあ。」

私からアドバイス。
「お父さんが全部できるようになったら退院許可をだします、と先生が言っている、と返信してあげてください。」

患者さんがそれに対し一言。
「お父さんができるようになるのを待っていたら、きっと死んでしまいますわ。」
と笑っていた。

私からもう一言
「正月三が日が明けるまではここでゆっくりしましょう。あなたがいないことで、あなたの存在の大きさに気づくでしょうから。」





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Last updated  2022.12.29 04:50:43
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