Bang Saen生活

ワン、ワン、ワオーン　めしだ、めし、飯が来たぞー
目の前に駆け寄ってきた犬が吠える。それを聞いて四方八方から犬が集まり、あっという間に取り囲まれる。
グルルルル・・・ヴァン、ワン、ワン　早く餌をよこせ！
犬たちが唸る、吠える。私は半泣きで荷物を抱きかかえ、目をつぶり、震えながら、ゆっくりと進む。吠えながらも退く犬たち。群れを交わしたら、少しづつ歩を早め、コンドミニアムのゲート内に飛び込む。
　


大学のキャンパスは、犬の天国だ。優に百頭はいる。注意書きの看板も立ってる。それぞれホームポジションがあり、私の住む棟にも６頭ほどいるが、誰かのひと吠えで近隣から集まってくる。夜、キャンパスに響き渡る遠吠えの大合唱はゾッとする。

渡航した３月、タイは酷暑の始まり。夏バテで食欲が落ちる。6月、雨期に入り、涼しくなって食欲が増す。
これ、私も犬も同じ。酷暑の日中、犬たちは日陰や砂場の穴で体を冷やし、じっとしている。日が落ちて行動開始。日没以降外出しない私は、歩き回る犬と出会うこと、ほぼなし。涼しくなり、犬たちは日中も、思い思いにくつろぐ、うろつく、駆けまわる。運動すれば腹も減るさ。日暮れまで待てないさ。お肉の匂いを漂わせながら、誰かふらふら歩いて来たぞ。待ってました食事の時間だ～！てな感じで囲まれる。時には水着を入れたレジ袋でさえ、カサカサ音に反応して近寄ってくる。
11月、乾期に入り、最高気温が30度を、最低気温が20度を下回る、初秋の爽やかな気候。まさに食欲の秋・・・だが、犬たちは結構落ち着いてる。
満たされていれば殺気立つこともなく、害はない。でも、近寄ったり、目を合わせない方が無難。