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カテゴリ:漫画・アニメ
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「ミノタウロスの皿」(藤子・F・不二雄異色短編集より) 初めての出会いは「夏休みこどもアニメ劇場」みたいなやつでした。 ここで「ミノタウロスの皿」と他2本くらいをアニメ化してて、 すごいインパクトを受けたのを覚えています。 以下ストーリーネタバレなので、万が一知りたくない方がいましたらご注意を。 宇宙飛行中に宇宙船の故障により近くの惑星に不時着した青年。 青年はそこでミノアという美しい少女に命を助けられます。 が、どうも住人たちの様子がおかしい。料理のことをエサと言ったり・・・。 そこは「ズン類」という地球のウシによく似た生物が生活している惑星でした。 ミノアたち地球の人類によく似た生物は「ウス」と呼ばれる家畜だったのです。 そしてミノアは優良な肉用種で大祭の祝宴で食べられる身だということを知ります。 「最高の名誉」と喜ぶミノアたちに対し、青年は必死に止めようと奮闘します。 「残虐な風習をやめさせる」「すべての生き物には生きようとする本能がある」 が、話は聞き入れられず結局ミノアは食べられてしまうのです。 ラストシーン。地球からの迎えのロケットの中で 青年は大好物のビフテキを食べながら涙を流すのでした。 ・・・後味悪くないですか?悪いでしょ? これを子供のときに見て強烈なパンチをくらった気分になりました。 ウシが人類を食べることを「残虐」と言いながら、自分はウシを食べるんですよ。 青年はウスとズン類の関係がウシと人類の関係と同じだと気付いていない。 ビフテキを食べる自分が、大祭でミノアを食べるズン類と同じだと気付いていない。 これを夏休みの午前中に見て「どーん」と重くなりました。 と同時に「藤子F不二雄って、ドラえもんだけの人じゃないんだ!」とも思いました。 で、短編集を集め始めたわけです。 こういう後味の悪い話がたくさん載っています(もちろん感動系の話もありますが) でも、ただ後味が悪いだけじゃなくて深いテーマが隠されているところがすごい。 環境問題、人間の本能、地球の未来・・・・・・。 藤子F不二雄先生は「SF」を「すこしふしぎ」と解釈しているそうです。 ここに載っている話は本当に日常と比べて少し不思議な世界。 だからこそ本当にありそうな不気味さがあると思います。 それをドラえもんやキテレツ大百科のようなのどかな絵柄で描いているので なおさら不気味さが増しているような気がします。 ドラえもんとは一味違う藤子ワールドを是非味わってみてください。 今なら文庫のシリーズが読みやすいと思いますよ。 ちなみに、藤子不二雄A先生の作品は怖すぎて読めません・・・。 私にはこれくらいが丁度いいみたいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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