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坂本龍馬(RYOMA)♪旧司法試験合格までの日記

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2010.06.09
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テーマ:司法試験(138)
カテゴリ:憲法
3 薬局及び医薬品の一般販売業(以下も薬局等)という。)の適正配置規制の立法目的及び理由について。
 (1) 薬事法6条2項、4項の適正配置規制に関する規定は、昭和38年7月12日法律第135号「薬事法の一部を改正する法律」により、新たな薬局の開設等の許可条件として追加されたものであるが、右の改正法律案の提案者は、その提案の理由として、一部地域における薬局等の乱設による過当競争のために一部業者に経営の不安定を生じ、その結果として施設の欠陥等による不良医薬品の供給の危険が生じるのを防止すること、及び薬局等の一部地域への偏在の阻止によって無薬局地域又は過少薬局地域への薬局の開設等を間接的に促進することの2点を挙げ、これらを通じて医薬品の供給(調剤を含む。以下同じ。)の適正をはかることがその趣旨であると説明しており、薬事法の性格及びその規定全体との関係からみても、この2点が右の適正配置規制の目的であるとともに、その中でも前者がその主たる目的をなし、後者は副次的、補充的目的であるにとどまると考えられる。
 これによると、右の適正配置規制は、主として国民の生命及び健康に対する危険の防止という消極的、警察的目的のための規制措置であり、そこで考えられている薬局等の過当競争及びその経営の不安定化の防止も、それ自体が目的ではなく、あくまでも不良医薬品の供給の防止のための手段であるにすぎないものと認められる。すなわち、小企業の多い薬局等の経営の保護というような社会政策的ないしは経済政策的目的は右の適正配置規制の意図するところではなく(この点において、最高裁昭和45年(あ)第23号同47年11月22日大法廷判決・刑集26巻九号586頁で取り扱われた小売商業調整特別措置法における規制とは趣きを異にし、したがって、右判決において示された法理は、必ずしも本件の場合に適切ではない。)、また、一般に、国民生活上不可欠な役務の提供の中には、当該役務のもつ高度の公共性にかんがみ、その適正な提供の確保のために、法令によって、提供すべき役務の内容及び対価等を厳格に規制するとともに、更に役務の提供自体を提供者に義務づける等のつよい規制を施す反面、これとの均衡上、役務提供者に対してある種の独占的地位を与え、その経営の安定をはかる措置がとられる場合があるけれども、薬事法その他の関係法令は、医薬品の供給の適正化措置として右のような強力な規制を施してはおらず、したがって、その反面において既存の薬局等にある程度の独占的地位を与える必要も理由もなく、本件適正配置規制にはこのような趣旨、目的はなんら含まれていないと考えられるのである。

 (2) 次に、前記(一)の目的のために適正配置上の観点からする薬局の開設等の不許可の道を開くことの必要性及び合理性につき、被上告人の指摘、主張するところは、要約すれば、次の諸点である。
 (1) 薬局等の偏在はかねてから問題とされていたところであり、無薬局地域又は過少薬局地域の解消のために適正配置計画に基づく行政指導が行われていたが、昭和32年頃から一部大都市における薬局等の偏在による過当競争の結果として、医薬品の乱売競争による弊害が問題となるに至った。こよれらの弊害の対策として行政指導による解決の努力が重ねられたが、それには限界があり、なんらかの立法措置が要望されるに至ったこと。
 (2) 前記過当競争や乱売の弊害としては、そのために一部業者の経営が不安定となり、その結果、設備、器具等の欠陥を生じ、医薬品の貯蔵その他の管理がおろそかとなって、良質な医薬品の供給に不安が生じ、また、消費者による医薬品の乱用を助長したり、販売の際における必要な注意や指導が不十分になる等、医薬品の供給の適正化が困難となったことが指摘されるが、これを解消するためには薬局等の経営の安定をはかることが必要と考えられること。
 (3) 医薬品の品質の良否は、専門家のみが判定しうるところで、一般消費者にはその能力がないため、不良医薬品の供給の防止は一般消費者側からの抑制に期待することができず、供給者側の自発的な法規遵守によるか又は法規違反に対する行政上の常時監視によるほかはないところ、後者の監視体制は、その対象の数がぼう大であることに照らしてとうてい完全を期待することができず、これによっては不良医薬品の供給を防止することが不可能であること。
 

5 適正配置規制の合憲性について。
 (1) 薬局の開設等の許可条件として地域的な配置基準を定めた目的が前記三の(一)に述べたところにあるとすれば、それらの目的は、いずれも公共の福祉に合致するものであり、かつ、それ自体としては重要な公共の利益ということができるから、右の配置規制がこれらの目的のために必要かつ合理的であり、薬局等の業務執行に対する規制によるだけでは右の目的を達することができないとすれば、許可条件の一つとして地域的な適正配置基準を定めることは、憲法22条1項に違反するものとはいえない。問題は、果たして、右のような必要性と合理性の存在を認めることができるかどうか、である。

 (2) 薬局等の設置場所についてなんらの地域的制限が設けられない場合、被上告人の指摘するように、薬局等が都会地に偏在し、これに伴ってその一部において業者間に過当競争が生じ、その結果として一部業者の経営が不安定となるような状態を招来する可能性があることは容易に推察しうるところであり、現に無薬局地域や過少薬局地域が少なからず存在することや、大都市の一部地城において医薬品販売競争が激化し、その乱売等の過当競争現象があらわれた事例があることは、国会における審議その他の資料からも十分にうかがいうるところである。しかし、このことから、医薬品の供給上の著しい弊害が、薬局の開設等の許可につき地域的規制を施すことによって防止しなければならない必要性と合理性を肯定させるほどに、生じているものと合理的に認められるかどうかについては、更に検討を必要とする。
 (1) 薬局の開設等の許可における適正配置規制は、設置場所の制限にとどまり、開業そのものが許されないこととなるものではない。しかしながら、薬局等を自己の職業として選択し、これを開業するにあたっては、経営上の採算のほか、諸般の生活上の条件を考慮し、自己の希望する開業場所を選択するのが通常であり、特定場所における開業の不能は開業そのものの断念にもつながりうるものであるから、前記のような開業場所の地域的制限は、実質的には職業選択の自由に対する大きな制約的効果を有するものである。
 (2) 被上告人は、右のような地域的制限がない場合には、薬局等が偏在し、一部地域で過当な販売競争が行われ、その結果前記のように医薬品の適正供給上種々の弊害を生じると主張する。そこで検討するのに、
 (イ) まず、現行法上国民の保健上有害な医薬品の供給を防止するために、薬事法は、医薬品の製造、貯蔵、販売の全過程を通じてその品質の保障及び保全上の種々の厳重な規制を設けているし、薬剤師法もまた、調剤について厳しい遵守規定を定めている。そしてこれらの規制違反に対しては、罰則及び許可又は免許の取消等の制裁が設けられているほか、不良医薬品の廃棄命令、施設の構造設備の改繕命令、薬剤師の増員命令、管理者変更命令等の行政上の是正措置が定められ、更に行政機関の立入検査権による強制調査も認められ、このような行政上の検査機構として薬事監視員が設けられている。これらはいずれも、薬事関係各種業者の業務活動に対する規制として定められているものであり、刑罰及び行政上の制裁と行政的監督のもとでそれが励行、遵守されるかぎり、不良医薬品の供給の危険の防止という警察上の目的を十分に達成することができるはずである。もっとも、法令上いかに完全な行為規制が施され、その遵守を強制する制度上の手当がされていても、違反そのものを根絶することは困難であるから、不良医薬品の供給による国民の保健に対する危険を完全に防止するための万全の措置として、更に進んで違反の原因となる可能性のある事由をできるかぎり除去する予防的措置を講じることは、決して無意義ではなく、その必要性が全くないとはいえない。しかし、このような予防的措置として職業の自由に対する大きな制約である薬局の開設等の地域的制限が憲法上是認されるためには、単に右のような意味において国民の保健上の必要性がないとはいえないというだけでは足りず、このような制限を施さなければ右措置による職業の自由の制約と均衡を失しない程度において国民の保健に対する危険を生じさせるおそれのあることが、合理的に認められることを必要とするというべきである。
 (ロ) ところで、薬局の開設等について地域的制限が存在しない場合、薬局等が偏在し、これに伴い一部地域において業者間に過当競争が生じる可能性があることは、さきに述べたとおりであり、このような過当競争の結果として一部業者の経営が不安定となるおそれがあることも、容易に想定されるところである。被上告人は、このような経営上の不安定は、ひいては当該薬局等における設備、器具等の欠陥、医薬品の貯蔵その他の管理上の不備をもたらし、良質な医薬品の供給をさまたげる危険を生じさせると論じている。確かに、観念上はそのような可能性を否定することができない。しかし、果たして実際上どの程度にこのような危険があるかは、必ずしも明らかにされてはいないのである。被上告人の指摘する医薬品の乱売に際して不良医薬品の販売の事実が発生するおそれがあったとの点も、それがどの程度のものであったか明らかでないが、そこで挙げられている大都市の一部地域における医薬品の乱売のごときは、主としていわゆる現金問屋又はスーパーマーケットによる低価格販売を契機として生じたものと認められることや、一般に医薬品の乱売については、むしろその製造段階における一部の過剰生産とこれに伴う激烈な販売合戦、流通過程における営業政策上の行態等が有力な要因として競合していることが十分に想定されることを考えると、不良医薬品の販売の現象を直ちに一部薬局等の経営不安定、特にその結果としての医薬品の貯蔵その他の管理上の不備等に直結させることは、決して合理的な判断とはいえない。殊に、常時行政上の監督と法規違反に対する制裁を背後に控えている一般の薬局等の経営者、特に薬剤師が経済上の理由のみからあえて法規違反の挙に出るようなことは、きわめて異例に属すると考えられる。このようにみてくると、競争の激化―経営の不安定―法規違反という因果関係に立つ不良医薬品の供給の危険が、薬局等の段階において、相当程度の規模で発生する可能性があるとすることは、単なる観念上の想定にすぎず、確実な根拠に基づく合理的な判断とは認めがたいといわなければならない。なお、医薬品の流通の機構や過程の欠陥から生じる経済上の弊害について対策を講じる必要があるとすれば、それは流通の合理化のために流通機構の最末端の薬局等をどのように位置づけるか、また不当な取引方法による弊害をいかに防止すべきか、等の経済政策的問題として別途に検討されるべきものであって、国民の保健上の目的からされている本件規制とは直接の関係はない。(略) 

5 結論
 以上のとおり、薬局の開設等の許可基準の一つとして地域的制限を定めた薬事法6条2項、4項(これらを準用する同法26条2項)は、不良医薬品の供給の防止等の目的のために必要かつ合理的な規制を定めたものということができないから、憲法22条1項に違反し、無効である。

最高裁昭和50年4月30日判決


よっしゃ!!!うかった!!!

やったるとこ!!!





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Last updated  2010.06.09 12:48:57
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