|
カテゴリ:気管支喘息
「昨夜吸入をしたら喘息が悪化したんです」
「えっ?吸入器持ってたっけ?」 「家電の吸入器です」 「危険!医療用の薬液吸入が必要です」 「お風呂の窓を開けろって言うんです」 「湿気は喘息には禁忌です!」 「部屋に加湿器を入れてからひどくなりました」 「加湿は危険です!」 1年前から喘息が始まった3才の男の子(IgE:200、ダニ5、HD4)。3ヵ月前に友人宅に遊びに行ったら強い喘息発作を起こしてしまいましたが、運悪く、友人は「家電屋」さんでした。 責任を感じた「家電屋」さんは(喘息には禁止の)加湿器をプレゼントしてしまいました。過失です。 今月初めから、せっかく貰ったので、部屋の加湿を始めたら、毎晩喘息が起こるようになってしまいました。過失です。 ところが「善意の家電屋」さんは、さらに、家電の吸入器(水蒸気の噴霧器)をプレゼントしてしまいました。過失です。 昨夜、試しに「家電製品」による水蒸気の噴霧を行ったところ、苦しがって頻脈になったとのことです。 今夜も「家電製品による水蒸気の噴霧」を行ったところ、ひどく苦しがったので、時間外受診いたしました。 喘鳴はないものの、呼吸音が聞こえず、窒息状態?でした。しかし、熱は36.3℃、SpO2:98%と酸素飽和度は十分でした。ところが脈拍が124/分とやや頻脈でしたので、喘息の薬液吸入(インタール+メプチン+パルミコート)を行ったら呼吸困難は消失し、脈拍も54/分に落ち着いてしまいました。 喘息には「寒」「風」「湿」が良くありません。喘息の児は入浴の「湿」が苦手な児が多いので、お風呂は大丈夫か聞いたら、入浴は大嫌いで「窓を開けて」と言うとのことです。当科でも、お風呂で悪化する「入浴喘息」はたくさん居ります。 湿気が苦手なタイプでしたので、いろいろ聞いたら、家電屋さんの加湿器と吸入器にたどりついたという次第です。「加湿器喘息」と「家電吸入器喘息」も時々居りますが、医療用の超音波ネブライザーはOKです。 夏は「除湿」で、冬は「加湿」という『常識』は、「加湿器と除湿器」を2台売ろうという家電屋さんの『詐欺商法』です。 結露のできるボロ住宅は加湿は禁止です。たいていの日本家屋は「年中除湿」が必要です。 加湿はダニとカビの温床で、家はボロボロ体もボロボロ。最悪です(結露の出来ない高級住宅は加湿OKです)。 吸入が良いのは、加湿ではなく、薬液(抗アレルギー剤や気管支拡張剤やステロイド)の吸入の効果です。加湿は百害あって一利なしです。 乾燥肌も空気が乾くから(原因)ではなく冷えて皮脂の分泌が悪くなるから(結果)です。加湿(水)ではなく保湿(油)が必要です。加湿は害です。過失です。恐い恐い。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[気管支喘息] カテゴリの最新記事
|