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カテゴリ:おたふくかぜ
「また頬っぺたが腫れました」
「ミミハナノド赤いですね」 「これはおたふくなんでしょうか?」 「反復性耳下腺炎です」 「予防接種はした方がいいですか?」 「血液検査させてください」 「おたふくの検査ですか?」 「マイコプラズマ(+)です」 これまでに2回「おたふく」に罹ったことのある11才の男の子。 またまた耳下腺が(3回目)腫れて受診しましたが、鼓膜も鼻粘膜も咽頭扁桃も赤く腫れていたので「反復性耳下腺炎」として抗生剤を投与しようとしたら「おたふくの予防接種は必要でしょうか?」との質問でしたので「検査しても良いですか?」と訊ねたら「ぜひ検査してください」とのお返事でした。 血液検査では、イムノカードマイコプラズマ抗体(+)、ムンプスIgG抗体(+)EIA価5.2、ムンプスIgM(-)抗体指数0.29、IgE:186、ダニ2(1.05)、HD2(0.98)、でした。 おたふくは既に罹っているので予防接種は必要なし。今回はマイコプラズマ感染に伴う耳下腺炎なので抗生剤内服が必要。でした。 病原体の罹り方には「ここが好き」というのがあります。ムンプスウィルスは耳下腺が大好きで耳下腺炎。ライノウィルスは鼻が大好きで鼻カゼ。RSウィルスは細気管支が大好きで細気管支炎。ロタウィルスは腸が大好きで腸炎。などです。 病原体の罹り方には「弱点を攻める」というのもあります。どのカゼに罹っても必ず耳と鼻に来る児。どのカゼに罹っても必ず扁桃腺が腫れる児。どのカゼに罹っても必ずゼーゼーする児。どのカゼに罹っても必ず下痢する児。どのカゼに罹っても必ず節々が痛くなる児。インフルエンザやマイコプラズマのような強力な病原体は弱点を攻めてきます。 いわゆるおたふくかぜ(流行性耳下腺炎)はムンプスウィルによるもので(たいていは両側)1回だけで、予防接種が有効です。 反復性耳下腺炎はその他の病原体によるもので(片側が多い・扁桃炎や中耳炎なども伴うことが多い)何回も繰り返します(細菌の場合にはひどくなると化膿性耳下腺炎)。 最近当科を受診した反復性耳下腺炎は全員マイコプラズマ(+)でした。恐い恐い。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年10月25日 01時06分10秒
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