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2021.10.11
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テーマ:書評(53)
先日読んだ『ガラスの塔の殺人』では、登場人物が推理小説のフリークという設定で多くのミステリ小説が登場する。その中でも数ある日本の本格ミステリ小説のなかで、新本格ムーブメントに大輪の花を咲かせたとうたわれている『十角館の殺人』を読んでみた。



作者である綾辻行人氏は同じく人気作家の小野不由美さんの伴侶であり、本作の舞台となる大分県出身の夫人の協力を得て、本作の原型となる『追悼の島』が完成したという。

著者のデビュー作にして代表作でもある本作は、初版から20年後の2007年に『新装改訂版』として著者自身により筆を加えられている。

本作を読んでみると、計算されたプロットや舞台設定、冒頭の一人語りで語られる「枠組み」が非常にしっかりしているために、その中で揺れる人々にリアリティが生まれている。

本作が挑戦的な作品であり、その『仕掛け』が秀逸であることはミステリ小説をそれほど多く読んでいない私にも読み取れる。





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Last updated  2021.10.11 21:09:51
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