シミラン諸島にて
さてと、年末にシミラン・クルーズに行った時の話を。常に行く先々で違った様相を見せるこの海域、見慣れた風景かつ新鮮、鮮烈にして清朝、荘厳にして柔和、時には言葉をのむ美しさが現れる。目指していた大物のうち、マンタは現れることがなかったが、見つけた、着底寸前をのトラフザメを。このように岩の傍に落ち着いて。それからはひたすら動かず、見てのごとく。突然大きいのが現れてビビるうちの娘。こんなの。ブラックフィン・バラクーダ。もちろん小さいのもいたのであって、仲間の女性ダイバーたちが「まつげちゃん」と呼んでいる、ファントム・バナー・フィッシュ。たいていふたりでいるのであり、こんなのを見てうらやましいと云った独身の女友達のダイバーがいた。そしてこれはハタタテハゼ。水深30m近いところにいた、孤高なる存在。 確かに良い一年の締めくくりではあった。