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カテゴリ:政
首相ともなると,膨大な量の答弁を行い,多くの演説・挨拶の機会がありますから,低い誤読率でも,間違える回数が多くなるのはやむを得ないのかもしれません。
報道されている事例を集め,政府系のウェブサイトで公開されているものは確認して表にしました。 ワープロソフトでこれらの語をローマ字入力した経験があるならば,これらの漢字を書けないまでも,読めるはずです。 有無,措置,頻繁,詳細,踏襲を入力したことがないということは,ワープロソフトで文書をあまり作成しないのではないか,と疑われます。 麻生首相は,どうやらアキバ系であっても,IT系ではないようです。
「有無」をゆうむ,「未曾有」をみぞゆうと読むのは,有の音「ウ」を知らないということです。音「ウ」は小学校では習わず,中学校で習うようです。 「前場」をまえば,「我が国」をわがこくと読むのは,送り仮名のない訓の替わりに音読みをしたり,逆に音の替わりに送り仮名のない訓読みをしたりすることです。 どちらも正しい語がある気はしますが,前場,我が国はそうではありませんから,首相は公の場で我流の言葉遊びをしているかのようです。 「踏襲」は,踏の音「トウ」が身につかないままに,訓「ふまえる・ふむ」を当てて「ふしゅう」と頭に染み付いたようです。 「頻繁」を繁雑と読んだのは,繁は知っていたけれども,「頻」は知らなかったからのようです。頻の熟語は頻度,頻出,頻発など数少ないかもしれませんが,立派な常用漢字です。 首相は,「我が国」の半数をわがくにと正しく読むのに対して,「措置」はほとんど処置と読み間違えています。意味がほぼ同じだからよいものの,「措」の音は「ソ」しかありませんし,政治の世界では圧倒的に処置より措置の方が使用例が多そうですのに,不思議です。 「詳細」をようさいと読むのは,「ヨウ」と音読みする羊,洋から類推してしまうのでしょう。 もっと読み間違いの例が集まれば,もう少し国語力の傾向がつかめるかもしれません。 中学校学習指導要領によると, 文科省 > 教育 > 小・中・高校教育に関すること > 学習指導要領 > 新学習指導要領 > 中学校学習指導要領 > 中学校学習指導要領-第2章:各教科-第1節:国語 第1学年で, 小学校学習指導要領第2章第1節国語の学年別漢字配当表(以下「学年別漢字配当表」という。)に示されている漢字に加え,その他の常用漢字のうち 250字程度から 300字程度までの漢字を読むこと。 (第2学年)第1学年までに学習した常用漢字に加え,その他の常用漢字のうち 300字程度から 350字程度までの漢字を読むこと。 (第3学年)第2学年までに学習した常用漢字に加え,その他の常用漢字の大体を読むこと。 とあり,中学校では常用漢字のほとんどを読めるようにするという指導要領です。 したがって,首相の漢字の読み間違いは,中学校以下の水準だということになります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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