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カテゴリ:江戸しぐさ、江戸言葉、江戸っ子話
江戸しぐさ 1 ぼやぼやしてると、ぶつかるよ、気をつけ な ![]() 花の都のお江戸はそんないいところかねえ ~ まあね、都でよ、「お」を付けられる名誉なところは他はにねえだろうがよ、 お京都、お大阪じゃ、口が回らねえし、お仙台じゃ、汚染台になっちまうし、 奈良なんぞに「お」でもつけたら、臭いが出そうだしね、 ま、その「お」のつくほどの徳川様の江戸が大人気、とにかく江戸へいけば、何かしらの仕事にありつける、白い飯が食える、遊ぶところもいっぱいある、田舎で朝から晩まで田圃にしがみついてもいいことはねえものだから、江戸へ江戸へと草木もなびき、諸国から人が押し寄せてきて。いまじゃ、百万人という世界一の人口になっちまったんだ。 だが問題も山積だ、お江戸広しといえども、武家地やお寺に神社の土地がおよそ、八割を占めていて、人口の半分の五十万人の町人が残りの二割の土地に 押し込められてる。だからね、江戸の町民の暮らす道は狭く、路地なんかは一間もない道幅で、蟹歩きしかできねえくらいなんだ。 ごちゃごちゃした町の中で、ほとんどの町人は九尺店とよばれる六畳一間ぐらいの長屋暮らしをしてる、そこへ、北から南から様々な遠国の習慣、言葉、を持った人が寄り添うのだから当然のこと火事と喧嘩は江戸の華なんて言われてるくらい、諍い、軋轢,喧嘩、虐めで、江戸の町はてえへんだったのである。 だが、そこはお江戸の知恵者よ、江戸の商人(あきんど)たちは江戸の町を益々繁盛させようと、気持ちよく、仲良く暮らせる町にしなきゃいけねえと、繁盛しぐさ、(商人しぐさともいう)を考えたんだ。 お互いに気持ちよく暮らそうじゃねえか、人付き合いの心得みたいなものを、はじめは商店の手代や丁稚、番頭に教え込ませたんだそうだ。 そうなると、なるほど、そいつはいいことだ、人との関わりが上手くいくってんで、江戸の庶民町民に伝わり、やがて江戸の町人の粋なふるまいとなっていったそうだ。 それが、~江戸しぐさ~とよばれるやつよ、江戸仕草じゃねえよ、江戸思草と書くんだよ、思いやる心がけだとよ、 えどしぐさ(江戸っ子のくせ)の癖が身についていなけりゃ、江戸っ子とはよばれねええよ、まっ、心癖とでも言おうか、 ちょいと、その江戸しぐさ、披露するからね、よく聞いときな、、 ~傘傾げ~(かさかしげ) 雨の日に互いの傘を外側に傾げ(かしげ)、ぶつからないように、濡れないようにすれ違う思草のこった、ちょいと、粋で絵になりそうだね。 ~肩引き~ 狭い道じゃ、すれ違う時に肩を引いてぶつからないようにね、 肩ひじ張って歩くのは愚の骨頂というものだよ、 ~七三あるき~ 自分が歩くのは道の端の三割、七割は譲って歩く。 大手を振って道の往来を歩くなんてのは破落戸だけだ。 ~蟹歩き~ 細い路地では譲り合いあい、蟹歩きができなきゃ、路地に迷いこまないことだ。 ~うかつあやまり~ 人様の足を踏んじまったら謝りな、踏まれたほうも、てえしたことはねえよ、と言うんだそうだ、 いかに、江戸の町の道が狭いかわかるねえ、道を譲りやがれ、肩がぶつかった、足を踏まれた、すぐに喧嘩が始まらねえようにした江戸しぐさなんだな。 笑左衛門 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年08月24日 10時47分59秒
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