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ネット文芸館 木洩れ日の里

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2024.02.27
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カテゴリ:エッセイ


 もう40年以上前の話である。映画好きのぼくは毎週金曜日になると、会社帰りに東京都内にある名画座に通っていた。高田馬場の「パール座」「早稲田松竹」、飯田橋にある「佳作座」「ギンレイホール」、渋谷全線座、池袋名画座、八重洲名画座などなどで、確かどこも大体2本立て500円だったと思う。
 これが当時ぼくの唯一の楽しみだったのだが、あるとき静岡県の各駅停車しか止まらない町に転勤となってしまった。もちろんその町の周辺には映画館などあるわけもない。列車に1時間も乗れば映画館のある大きな街へ行けないこともないのだが、2本立て500円の名画座などあるわけもなく、せいぜいピンク映画館かロードショウ館しかなかった。

 ただやはり映画好きの同僚が、最近隣町にレンタルビデオ店が開店したと教えてくれた。それでさっそく車で30分かけて隣町のレンタルビデオ店へ向かう。そこは5~6人も入れば満員になるほど小さい店である。
 そこで今まで観たことのなかったB級ホラー映画をレンタルしたのだが、なんと1泊で1800円も支払う破目になってしまった。東京では500円前後と聞いていたのだが、このド田舎では競合相手がいないためか、とんでもない料金設定になっていたのだ。それでも懲りずにその後も数回通った記憶がある。今思い出すと、ほんとに馬鹿な男であった。

 3年後に本社に呼び戻され東京にUターンしたわけだが、その頃は既にレンタルビデオの全盛期となり、レンタル料も1泊300円程度に落ち着いていた。だがその影響で名画座がどんどん閉鎖してしまい。ついには「早稲田松竹」と「ギンレイホール」を残すのみとなってしまったのである。
 一方のレンタルビデオ店は雨後の筍の如く乱立し、住まいから徒歩で行ける範囲で3軒も軒を連ねているではないか。ぼくはその中の1軒で特別会員登録し、1万円で一年間借り放題プランに参加することにした。だから休日は朝から晩までビデオ三昧で、家族から総スカンを食ってしまった。なんとその年は年間400本以上は観たかもしれない。またまたここでも、ぼくの「馬鹿」が暴発したのである。

 それから暫くして課長に抜擢された頃になると、もうビデオどころではなく毎日深夜まで仕事漬けの毎日が続いた。ビデオ鑑賞が復活したのは、50歳を超えて岩手に転勤したときである。本社と違ってそこでの仕事はのんびりしていたし、単身赴任の退屈しのぎにプレイステーションを購入しゲームとビデオ三昧にまみれてしまった。
 その頃になるともうビデオテープではなく、映像が美麗で場所を取らないDVDが主流になりつつあった。そしていずれビデオテープは姿を消しDVD一色に染まるのだが、レンタルDVD店とは呼ばず相変わらずレンタルビデオ店と呼んでいたものである。

 その後DVDからブルーレイに移行するのだが、なかなかブルーレイに統一されないまま、いつの間にかレンタルビデオ自体が下火になって行く。その理由は「ビデオオンデマンド(VOD)」と呼ばれるインターネットの有料動画配信市場が急速に拡大したためである。
  具体的には「アマゾンプライム」「U-NEXT」「Netflix」「Hulu」「DAZN」などがあり、最近ではTVのリモコンに直通ボタンが設定されている。例えば「Hulu」に加入すれば、月1,026円でドラマ、アニメ、映画、バラエティなど人気作品がいつでも見放題となるのだ。とにかく安いし、レンタルビデオ店まで足を運ぶ必要もないし、貸し出し中ということもないし、スマホやPCで移動中でも鑑賞できる。これでは誰もレンタルビデオ店になど行かなくなるはずである。

 そして当たり前のように、レンタルビデオ最大手TUTAYAの各店舗が相次いで閉店ラッシュを引き起こしている。それでも自宅近くにあったDORAMAは、閑古鳥が鳴きながらも頑張っていた。
 ところが先日久し振りにDORAMAを訪れたら、なんと建物全体が工事用のシートで覆われているではないか。近づいてみると閉店の張り紙が目についた。この店には30年以上通ったので、工事シートと張り紙を見たときは、心の中が寂寞感で真っ黒に塗りつぶされてしまった。いつかこの日が来ると思ってはいたのだが、ぼく自身が2年近く顔を出さなくなったくらいだから当然の成り行きとも言えよう。

 かつてTVとビデオの普及で名画座がつぶれ、そしていまインターネットとオンデマンドの拡大によりレンタルビデオ店が消えて行く。まさに歴史は螺旋状に繰り返してゆくのであろうか。「サヨナラ、レンタルビデオ……」。

​作:五林寺隆​

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最終更新日  2024.02.28 19:13:40
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