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カテゴリ:江戸ぶら、ぼてふり、
ぼてふり話 其の壱 なっとなっと、なっとう~ ![]() 朝から晩までぼてふりの声 明け六つ、町木戸が開くと、 ~シジミィ、シジミィ~、 ~なっと、なっと、なっとう~、なっとう~ ~あさりぃーあさりぃ~、とーふぃーとーふぃー、とーふーぃ、とうふ~ 江戸の町の朝はぼてふりの売り声で目を覚ます。 ぼてふり(棒て振り)とは、六尺の天秤棒の両側に物入りの笊や籠、箱をぶら下げ、商品を売り歩く、行商人のことだ。 朝のシジミ売りから、あさり売り、納豆売り、豆腐売り、魚売り、青物売りの声で始まって、宵の口までぼてふりの売り声が絶えることはなかった。 ~いわしこーいわしこー~ ~ひやみずやぁ、ひやみずやぁ ひゃっこいーひゃっこい~~やきいもーやきいもー~ ~さおやーさおだけー~~きんぎょーえー、きんぎょー~ ~玉や玉や玉や~(しゃぼんだま売りは子供に人気) 冷水売りは夏の日、水に白糖と寒ざらし粉の団子を加え一椀四文で売った。 その他にも、ぼてふりが担いで売り歩いたものは様々で、宵の口まで一日中ぼてふりの売り声が絶えることはなかった。 たまご、どじょう、梅干し、七味唐辛子はもっともらしい口上、浅草海苔、塩、茶飯うり、ところてん、白酒、枝豆、そば、うなぎ、なべやきうどん、あやめ団子売り、ういろううり、しるこ、ぞうに、おでん、燗酒、煮しめ、あんかけ豆腐、こはだ鮨、稲荷鮨、鰹売り、唐人飴売り、飴細工売り、、竹とんぼなどのおもちゃ 筆や硯、各種器、竿竹(さおだけ)、はしご、洗い張り用の張板、小間物、 行灯(あんどん)用の灯心油、ざる、下駄、古着、こっぱ(木材の細かい屑。薪のたきつけに使用) 刻み煙草、やにとり、艾売り(もぐさ)お灸の艾、 まだまだ書ききれねえが、 貸本屋 暦売りや、芝居の番付売り、吉原の案内書売り、雪隠紙売り、七草粥用のナズナ売り、初午(はつうま)の太鼓や絵馬、草餅、柏餅用の柏の葉、すだれ、蚊帳(かや)、 風鈴、金魚、松虫・鈴虫、ほおずき、団扇(うちわ)、七夕の竹、盆の灯篭、蓮の花や葉、箱庭、冬至のまじない用のかぼちゃ、切り花 福寿草、梅の盆栽。草花の苗、 へちま、朝顔、煤払い用の竹、御神酒徳利、神棚用の恵比寿大黒、 下駄屋(鼻緒のすげ替え・下駄の歯入れ替え)、錠前直し、鋳掛け屋、鏡磨き まあ、なんでもかんでも、こんなに売り歩くのだから、朝から晩まで、ぼてふりの売り声が絶えることはなかったんだ。 江戸のかみさんは買い物にはいかねえよ、みんな棒て振りが売りに来たんだ、 それぞれ、口上を工夫し、奇妙な台詞を考え、笛や太鼓を浸かったり、風変わりな衣装を着たり、幟を立てたり、顔に顔料を塗ったり、ぼてふり商いにも苦労はあったようだ。 「おや、きょうのぼてふりはいい男だね、茶でものんでくかい」 おかみさん、あぶねえあぶねえ、、、 笑左衛門、 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年11月15日 10時40分23秒
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