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カテゴリ:裏長屋よもやま話,
蚤虱 (のみしらみ)痒い痒いのつづきです 生き血を吸われる恐ろしくも痒い話の続きでございます。 蚤虱(のみしらみ)に悩まされ、蚤虱封じに力を尽くしたのは良寛様達の僧でございます。なにせ、殺生を禁忌する仏僧だもんで、そのことを知っている蚤や虱はここは安全地帯とばかりに、僧の躰に大胆にたかって、血を吸うので、修行僧の、瞑想を邪魔する虫なのですが、ピタンッ!と、蚤を潰すわけにはいかないのです。 ~毛虱に 尼と入道 二人出来~なんて川柳もありますね、 しかし、そこが凡人とは違うところ、虱や蚤に血を吸われたその痒さも、 修行を重ねれば苦にならならないのでしょうか、禅僧の良寛(りょうかん)さんともなれば、蚤や虱と仲良く暮らしていたのでございますよ、さすがは良寛さん。 ~蚤虱音(ね)の鳴く秋の虫ならば、わが懐(ふところ)は武蔵野の原~ 何とも達観しておりますな、蚤のいる自分の懐を武蔵野に見立てたのには、恐れ入ります。 良寛様、やせ我慢ではありませぬ、良寛さんは、蚤とよく遊んでいたというお話でございます。 さて、蚤虱(のみしらみ)についても色々言われておりまして、 裏長屋の短吉、お熊の夫婦は「蚤(のみ)の夫婦」なんて言われているが、それは、女房のお熊のほうが、体が大きいからで、虱は雌の方が雄よりも大きいいのですよ。 蚤に関しては、蚤の心臓,蚤の夫婦,蚤の市,蚤の涙,蚤の小便,蚤取り眼まなこ,蚤にも食わさぬ,などなどいろいろございまして、蔑まれてもいるが、小さくとも、何糞負けるもんかと、力の強い例えにも使われているのでございます。 両国橋じゃあな、蚤の跳躍力で、二間もの間を跳ばしたり。蚤に車を牽かせるなどの曲芸の見世物小屋もかかっているそうだ。 ~虱潰し(しらみつぶし)~なんて言葉もあるな、 兎に角、褌に虱の糞が赤黒い斑点として見掛けた一匹残らず退治しなけりゃ,痒みはとまらねえからね、岡っ引きは下手人の手がかり探しに、長屋を、一軒一軒虱潰しにあたる、物事を片端から落ちのないように潰していくことを言うそうだ。虱さん、逃げられやしねえよ。 ~虱(しらみ)の皮を槍(やり)で剝(は)ぐ ~なんてもあるがね、 こりゃあ、無駄なことですよ、些細なことを大袈裟にしちゃあいけませんな。 ~虱(しらみ)の皮を千枚に剝(は)ぐ~ いやあ、ケチもここまでとなれば、ど貪欲とでもよびますか。 さてと、長屋のお里ちゃんに、梳き櫛(すきぐし)でも買ってあげようかな、 梳き櫛てえのはな、櫛の中でも目の細かい繊細な櫛で黒髪を梳げば、黒髪はさらに艶々になるのだが、梳き櫛の本来の役目は髪の汚れをとるのもあるが、虱蚤を梳くことなのよ。お里ちゃん、喜びそうだ。 丁髷(ちょんまげ)髪結いで虱を貰う、気をつけなきゃね、 笑左衛門
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最終更新日
2021年06月20日 10時30分06秒
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