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江戸こぼれ話 笑左衛門残日録

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2022年05月03日
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カテゴリ:裏長屋よもやま話,
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      ​​   居酒屋 豊島屋でござあい​​
    ​ 豊島屋十右衛門、鎌倉河岸   


 ~ 亀吉よ、鎌倉河岸に、豊島屋という馬鹿に安く酒を飲ましてくれる店があるらしいな~
 ~なんでも、酒は原価で売ってるって話だ、江戸で一番安い酒だそうだな~
 ~熊さん、ちょいと冷やかしに一杯飲みにでかけるか、、~
 ~飲むだけじゃもったいねえ、買ってけえれるように瓢箪も持っていこう~
 てんで、亀さん熊さん呑み助の二人が向かったのが鎌倉河岸の豊島屋だった。
 豊島屋は「現金掛け値なし!」で、酒の量り売りをしている小さな店で、通い徳利や貧乏徳利、瓢箪を持参してくる客に樽から一升二升と、酒の量り売りをしているのが本業だが、店先では立ち飲みでも酒を飲ませていた。
  酒は灘の銘酒の下り酒で、1合8文(約200円)という値段で、江戸中で一番安く、つまみはおおぶりの豆腐田楽を1串2文(約40円)の一品のみで、赤味噌を塗って酒が進むように仕掛けたもので、でかくて安くてうまい田楽だという評判だ。
 場所柄、客筋は、棒て振り、物売り、馬子、駕籠かき、船頭、荷揚げ人足といった、日雇いの肉体労働者が多かったのだが、この頃じゃ、商家の奉公人や町人、下級武士も酒を買いに来ていて
豊島屋の店の前には長蛇の行列ができていた。
 なぜそんなに評判がいいかっていううと、
 豊島屋十右衛門という男、奇抜な発想の商才の持ち主であった。
「酒とつまみで儲けなくともよい、薄利多売なんてけちなことは言わない、原価でどんどん酒が売れればいいのだ。
 酒は樽に詰めらて仕入れる、酒が売れれば、樽が空になる。酒が売れれば売れるほど樽も増えてくる酒樽代は凡そ仕入れの一割だったので空になった酒樽を売れば、儲けが出る。だから、酒を原価でどんどん売れれば、空き樽もどんどん出て利益が出ると考えたのだ。
 十右衛門にしてみれば、いかに樽を空にして樽を売るかということが重要で、酒やつまみはおまけみたいなものであったのだ。
 いや、恐れ入谷の商法で、その商法が大当たりしたのだった。
 現に豊島屋の店先には常に空の酒樽が山のように積まれていた。
  評判は評判を呼び、貧乏人だけではなく、やがては大名も豊島屋から酒を調達するようになり、遂には、寛政元年には幕府勘定ご用達商に任ぜられたのだった。
 一介の小さな酒屋が江戸商人十傑に数えられるようになったのである。
  ~熊さん、やっぱり下り酒は旨かったねえ、熊さん三合も飲んだろう、~
 ~亀さんだって、、それにしてもすげえ人気の店だなあ、酒じゃなくて、
 空樽売って儲けるなんざ、さすがに十右衛門だな、、~
 ~おいっ、亀さんよ、おいら長屋の連中も、厠に糞落として空尻にさせられて大家が儲けてるんじゃねえのかい?~
 そんなことああありませんよ、それより店賃お願いします、、笑左衛門
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最終更新日  2022年05月03日 10時30分05秒
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