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カテゴリ:インターネット「で」商売
私の仕事は、小売を営む企業様と深く関わらせていただく商売です。
本部の方とお話をするだけでなく、サービスの現場である店頭にうかがう機会が多くあります。 現在のお客様だけでなくまだ加盟店になっていないショップの視察もさせていただくのですが、そんなある日のこと。 あるスーパーマーケットを訪れました。 たまご売り場が充実した店舗だったのですが、ちょっと面白いことに気づいたのでここに書きます。 商品が大きな棚の何段にも並べられ、それぞれに商品・価格プレートが掲げられています。その横に手書きのPOPが添えられて、丁寧かつ積極的にお客様にたまごを買ってもらおうという姿勢がうかがえます。 こんな感じ。 ■名古屋コーチンの卵 6コ入り 380円 名古屋コーチンから産まれた卵です。卵殻色は桜色です。 ■みちのくの赤たまご 6コ入り 237円 味の秘密は、希少鶏黒鶏。普通よりも大きい鶏が産んだたまごです。 ■四季の恵たまご 10コ入り 279円 恵のひとつは国産玄米。フードアクション日本協賛商品です。 ■ヨード卵光 6コ入り 322円 ヨード成分をにわとりに食べさせることで卵の中に移行させた食品で、卵黄と結びついたヨード分が健康に強く働きかけるミラクルエッグです。 ■地養卵(三重県産)白卵 10コ入り 259円 飼料に地養素をミックスした三重県産のたまごです。 ■旨味賛卵赤たまご 6コ入り 170円 健康な赤鶏が産みました。履歴が確かなたまごです。 ■森のたまご 10コ入り 259円 コクと甘みのあるプリッとした黄身が人気。キレイなオレンジ色で料理に映えます。 ■味わい茜白たまご 10コ入り 218円 ビタミンEを強化した白いたまごです。 しかし。 私はふと考えました。 たとえば、 「今日はすき焼きだから少々奮発しても新鮮で美味しいたまごにしよう」 と思っているお客さんがいたら、その人は上のうちからどのたまごを買うのでしょう? POPに色々と説明がしてあってそれぞれのたまごの特徴はわかるのですが、横に並べたとき商品同士を差別化する基準や要素に、実は乏しいような気がします。 “希少鶏黒鶏” と “健康な赤鶏” とでは、どちらがよりお肉や野菜を引き立てるような味わいがあるのでしょうか。 “ビタミンEを強化した白いたまご” と “フードアクション日本協賛商品” とでは、どちらが家族団らんの場を盛り上げてくれるのでしょうか。 「サッカーと野球、どちらが強いですか?」と問われるくらい、難しい(答えようのない)選択なのではないかと思います。 結局お客さんが「価格」と「日付」を基準にたまごを選んで行くようでは、せっかくのPOPがもったいないですね。 (※POPを書いた人も努力ももったいないですが、一々読んだお客さんの時間ももったいない。) 商品を説明する際にFeature(単純な商品・サービスの説明)やAdvantage(商品・サービスの優位性)を中心に書くとこのようなことが起こりやすく、Benefit(商品・サービスの先にあるもの)に思いを馳せると、お客さんに手がかりを与えやすいのではないかと思います。 「すき焼きならコレ!ネギとの相性抜群☆もりもり食べて明日のあなたの活力に。- みちのくの赤たまご 6コ入り 237円」 「ママ、今日のお弁当のたまご焼きすっごく美味しかった!と笑顔で言われました♪(28歳主婦)- 四季の恵たまご 10コ入り 279円」 なんていうノリのPOPが並んでいると、より売り場が楽しいような気がします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年04月25日 00時04分41秒
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