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カテゴリ:詩
~亨君と嘉浩君へ~ . . 亨君の深く碧い沈黙に 僕は溺れそうだった… . 彼は嘉浩君の事だって 悪くは言えなかった と思う… . 彼は、無謀な行いに 行き当たりばったりの稚拙な大義に 半ばどうしようもない 行き場のない怒りを感じていたはずなのに あてどころを失っていた . . . でも、その優しさは あだとなり 最後まで 付き従ってしまった… . ああ、彼を誘導していた村井さんが 無責任な透明さで 彼に諭す . 私は一度だって グルの要求に否と応えたことはなかった と… . その自慢げな信仰に 綻びが見えだした頃は もう既に時は遅すぎた… . . . もう最後までついてゆくしかない… だが、この道の先が見いだせない この暗闇は何だ… . 彼は、そうした想念でつぶれそうになっていたに 違いない… . そうした想念の渦をすべて 沈黙の中に閉じ込めて 碧く深い海の中に 沈んでいくようだった… . . . もう、これ以上にないくらい 苦しんでいたはず… . 八王子のアジトでも 嘉浩君はうずくまる亨君を見ていたはず… . そんな苦悩が彼を待ち受けるのだと 僕は占星術師でありながら 読み解けず…彼に示唆すら与えられなかった . 僕は最も近くに居ながらにして 気づいてあげることができなかった . 神様がいるのならば . この人の罪は この人の人柄に見合いません… と僕は訴えたい . こんなにも、世をはかなみ 己を追い込んでいった若者が 誘導された世界 . 信仰の末にたどり着いた先が 目標地点とは正反対の極地だった . わずかな岐路の差で これほどまでに 違う世界 . 僕らに見せつけ体験させた意図は どこにあるのか… . . . Eili ...
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