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テーマ:一枚の絵(255)
カテゴリ:詩
『ベクシンスキーの絵のように…(7)』 . . . この威圧感は何だろう 見上げてみるとぽっかりと浮いた 中身のない案山子のような... 制裁者のようないで立ちに しばし言葉を失う . 胸に十字架が灯されているが 宗教者ではない . この者は、兵士だ… それも死地を何度も潜り抜けておきながら この地で散っていった勇者の姿だ . 恨みはあるのだろうか… ない . ただ無念さだけが強く辺りを包み込んでいる。 . . . 兵士の姿は空洞で 禍々しい憂鬱な夕日に満たされている . 見るとそこには 異界の月が精いっぱいに侵食を試みるも 力及ばずといったところだろうか… 蝕を成せずにいる . しかし、一矢を報いて 誇りを保ち どこか凛々しい姿には 毅然とした潔さを伝えている . この空間がかつての戦場であり この地はそれを忘れることは させないのだ . . この地は緩やか傾斜で、窪地には うっそうとした森林が広がっている 丘の上にもところどころに隠れ潜める場はあるが どれもこじんまりとした領域で 格好の標的と化している . 大体の当時の面影をしり この地で起きた悲劇も目に浮かぶ . では彼らはどこに向かって逃げたのか… 何を拒んだのか . 種族の未来を得るがため 己の未来を捨てたのだ . ではこの地に宿る彼らの亡霊は如何に… . それは監視だ この地を平定するまで、彼らは死後も 監視し続けなければならぬのだ . . . Eili ...
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最終更新日
2021年10月24日 11時42分59秒
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