カテゴリ:野球
野球では投手が担っている負担というものはかなり大きなものがある。それは、大学での経験の中で、その認識は非常に大きくなっていたのだが、監督となってもその大きさは感じるものである。
よく野球は投手にかかっている。と聞くのだが、実際に野球をやっていても本当にそう思う。投手が良ければ勝てる可能性も高く、投手があまり良くなければ勝てる可能性も低くなる。当たり前のことかもしれないが、他の野手に比べて、その比率は計り知れないほど大きいものである。 そのためか、投手というポジションをしている人の性格は難しい。私が見た中では、頑固、わんぱく、神経質、プライドが高い、などの性格の人が多い。もちろん、人の性格は複雑なものなので、これらの性格が混ざり合い、さらには、他の性格も混ざり合っている。 ほとんどの人もいろいろな性格が混ざり合っているとは思うのだが、投手というポジションは、どうしても野球の花柄なので、これまでの経験などを含めて、プライドが高く、自信がある傾向がある。そのため、頑固で、他の人のアドバイスに耳を傾けない投手も結構いる。 私は監督という立場から、この投手の能力をうまく引き出していかないといけないのだが、複雑な性格の投手を手玉に取るのは容易ではない。むしろ、こっちが相手の心理を読み取りながら、慎重に言葉を選び会話をしていることもかなり多い。 しかし、こんなプライドが高く、自信に満ち溢れている投手でも、時にはヘコんだり、落ち込んだりすることもある。そんな時の投手はプライドと自信の壁を武器に、相手の意見を聴かず、自分のミスやスランプを他の物事や人のせいにする。本当によくあることだ。 実際に、今の私のチームの投手もこのような状態だ。調整期間が短かったせいもあるが、今の自分の悪い状態に向かい合うことを避けるような態度を取る。誰がアドバイスしても、これはできない、あれもできない、と言い返すだけ。この態度には、周囲の選手も何も言えない。むしろ、周囲の選手に言わせない雰囲気さえかもしだしている。 この態度には、私も少し悩んでいる。私にもある程度の知識と理論があるわけだが、本当に正しいことなのか分からないでいる。もしかして、アドバイスによってこの投手をつぶしてしまうかもしれない。だけど、何もしないでいるには・・・。最近は、その葛藤と戦っている感じなのだが、一つだけ言えることはある。それは、試合に出れば勝つために、チームのために一生懸命投げるのが投手である。どんなに自分の調子が悪くても、必死になって丁寧に投げるのが投手である。その心持だけは持っていて欲しい。 選手の誰もが試合のために長い時間を費やして練習をしてきている。その時間や労力を投手ひとりの怠慢で壊してはいけない。監督もベストの布陣を考え、ベストの攻撃をするためにサインを送る。出ている選手はチームが勝つために一生懸命プレーをする。それは皆同じなのである。投手ひとりが調子が悪いことを理由に怠慢なプレーをしていはいけないのである。 投手を育てるには、一番は気持ちである。チームを支える投手には、野手以上に強い気持ちを持って欲しいと同時に、私もその気持ちを投手に伝える義務があると最近感じる次第である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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