10月16日の日記で、21歳の時以来○○年ぶり(笑)の富士山登頂を目指したものの、足の痛みのために8.5合目あたりで引き返した話を書いた。当日の日記では「今回は頂上へは行けなかったが、気分は非常にすがすがしかった」と書いたのだが、実はあれは強がりであって(笑)、本当は頂上まで行けなかったことを非常に悔やんでいたというのが本音だ。すでに富士山は初冠雪を迎え、日に日に気温は下がる一方だが、なんとか今年中にもう一度行けないものかと密かに思っていた。で、御殿場市のライブカメラの画像を時々見ていたのだが、11月に入っても富士山の南側は日当たりが良いために雪が溶けているようだった。そして11月5日(土)、天気予報を見ると翌日の天気は良さそうだ。これは行けるかも知れないと思い、翌日の6日(日)の朝に登山を決行。
11月6日(日)の午前6時45分に御殿場市から見た富士山の、ほぼ東側から撮った画像。北側は雪が積もっているが、南側はやはり溶けているようだ。
富士宮口の5合目から頂上を見上げた光景。ここから見る限りは、雪がほとんど積もっていないように見える。しかも、雲一つない快晴。これはかなり期待が高まる。というわけで、午前7時45分に登山を開始。
午前10時30分、8合目に到着。前回はここまでの所要時間が2時間50分。その時は、7合目を過ぎたあたりで脚の付け根に違和感を覚えたので、今回は足の負担を減らすためにさらにペースを落として登ってきたつもりだったが、今回は2時間45分で到着。前回よりも早くなってる(笑)。
午前11時25分、9合目に到着。前回は9合目を目前にして足の痛みのために引き返したが、今回も実は8合目あたりから足の痛みは感じていて、なるべく歩幅を小さくしてゆっくりと登った。なお、この時期の富士山は気温が低くなることが予想されたので、余分に衣服も持って行ったのだが、この日は日差しが強く、歩いているとむしろ暑く感じるほどの陽気。8合目より上はチラホラと雪は残っていたが、歩行の支障になるほどの雪はなく、普通に歩くことができた。
9合目の次は頂上ではない(笑)。9合5勺という山小屋がある。到着したのは午後12時10分。ここの山小屋は、要塞というか秘密のアジトというか、何とも野性的な作りである(笑)。ここまで来ると酸素が薄い上に体力も消耗しているため。足取りもかなり遅くなる。しかし、下界を眺めると実に素晴らしい光景が広がる。
と、上を見ると、頂上がもう間近に見える。しかし、この最後の区間が私には難所だった。とにかく、酸素が薄い、体力を消耗している、足が痛い、という中で、数分歩いては休み、数分歩いては休みの繰り返しで、なかなか頂上が近付いてこない。
で、ついに頂上の直前にある鳥居にまで到達。ここをくぐれば頂上はすぐそこ。
というわけで、ついに頂上に到着! 21歳の時以来、○○年ぶり(笑)の富士山登頂がついに実現。鳥居の下にいる人物が誰であるかついてはノーコメントということで(笑)。この時、時刻は午後1時4分。5合目からの所要時間は5時間19分。到着した時点でも、空は雲一つない快晴。日差しは強く、ずっと急斜面を登り続けていたこともあり、寒さも感じないほどの陽気。
頂上は別世界である。まさかこんな時期に自分が富士山に登れるとまでは思ってもみなかった。この日は風も弱く、頂上は不思議な静けさだ。こんな時期にも富士山に登る人はいて、この日は私以外にも数十人ほどは登山者を見かけた。中には小学生との親子連れという強者もいた。そして、富士山の本当の頂上は、上の画像の奥に見える「剣ヶ峰(けんがみね)」なのだ。そこのてっぺんが本当の3776m地点である。頂上の鳥居のところからさらに60m高い。
これが噴火口の様子。時間に余裕があれば、噴火口の周りを一周するいわゆる「お鉢巡り」をやってみたかったところだが、これは来年の楽しみに取っておこう。
頂上から駿河湾を眺めた光景。この絶景の素晴らしさは、画像ではお伝えできない。この絶景を楽しめるのは、まさにそこに辿りついた者だけに与えられた特権である。
本当の頂上である剣ヶ峰にさらに近づいたところ。この画像で見ると、頂上まですぐ行って帰れそうに見えるが、なにぶんにもそこは酸素が薄く、足が痛い上に体力と時間に余裕がなかったため、その地点で引き返すことにした。なお、21歳に登った時にも剣ヶ峰には行っていないので、これも来年の楽しみにしておこう。頂上には約25分滞在したのち、午後1時30分に下山を開始。下山中に足の痛みが増したが、歩幅を小さくして足への負担を軽減させながら下山し、3時間かけて午後4時30分に5合目へ無事帰還。
5合目へ到着した時の頂上付近の様子。空は依然として雲が一つもない青空。この日は本当にいい天気に恵まれたと思う。
5合目では美しい夕日も見ることができた。この画像はとても気に入っていて、現在、自宅と職場のパソコンの壁紙に使っている(笑)。
というわけで、○○年ぶりの富士山登頂は無事成功し、帰途に就いた。なお、11月という季節外れに登頂できたのは、南側は雪が溶けていて歩行に支障がなかったこと、また一日を通して晴天で微風という絶好の条件に恵まれたからであるため、この時期の富士登山は人にはお勧めできない。また、山小屋は全て休業中のため、もちろん食料は自前ですべて持って行く必要があるし、一番の問題はトイレがないこと。余談だが、この日は何度も水分補給したが、汗で水分が蒸発したせいか、午前7時45分に出発し、午後4時30分に下山するまで、一度も尿意を催さなかった。トイレがないという情報が頭に入っていたせいか、体の調整機能が上手く働いたのかもしれない。人間の体って、つくづくうまくできているものだと思う(笑)。来年は、もっと時間に余裕を持って登り、まだ実現していないお鉢巡りと剣ヶ峰登頂を体験したい。