レビュー#317 STRAWBS 《GRAVE NEW WORLD》 72年英国
Benedictus (David Cousins)Hey, Little Man…Thursday’s Child (David Cousins)Queen Of Dreams (David Cousins)Heavy Disguise (John Ford)New World (David Cousins)Hey, Little Man…Wednesday’s Child (David Cousins)The Flower And The The Young Man (David Cousins)Tomorrow (Strawbs)On Growing Older (David Cousins)Ah Me, Ah My (Tony Hooper)Is It Today, Lord? (Richard Hudson)The Journey’s End (David Cousins/Blue Weaver) David Cousinsvo, a-g, e-g, 12 string-g, e & a-dulcimer, recorderTony Hoopervo, a-g, tambourine, autoharpJohn Fordvo, b, voRichard Hudsonvo, ds, cymbals, tambourine, sitar, tablasBlue Weaverorgan, p, mellotron, harmonium, claviolineTrevor LucasvoAnne CollinsvoRobert Kirby Silver Bandon 4‘gentlemen of chorus’ and Tony Visconti’s Old Tyme Dance Orchestraon 10 リンディスファーンから続くショボン声の系譜で出してみました。 68年に結成され、リック・ウェイクマンが出入りしていたバンドとして、あるいはサンディ・デニーが一瞬在籍していたバンドとして、プログレ/フォーク両方面で高名なストローブス。 これは72年の5作目くらいで、ウィリアム・ブレイクの絵をジャケに採用しています。 そしてサウンドはというと、これがブレイクに負けず劣らず詩的。厚いコーラスで幕を開ける1でもう、毛穴総立ちです。その気ないのに泣きそうになります。 一見ソフトで繊細だけど、芯の強さを感じるフォーキーな音世界は水分たっぷり。でもじめじめとはしてなくて、赤ちゃんの柔肌ばりに潤いたっぷりでプリプリなのです。 ストリングスやオルガンがやたらと顔を出していますが、どの曲でも登場しているわけではなくほかの楽器とのバランスも良いので暑苦しさは感じません。 一方エレキギターは時に魂こもりすぎ。その泣き度たるや、エレキが入ってる曲だけ集めて「演歌ロック」としたくなるほどです。 この人らのハモりはコーラスなんて甘っちょろいもんじゃなく、むしろクワイアとしたいほど。もうね、ホントに揃いすぎなんですよ。 5みたいに壮大なオーケストレーションで来るかと思えばインド風味、街角大道芸風味、ピアノがひたすら切ない胸キュンソングと素朴なフォーク音楽を軸にいろいろと味付けしています。 そうそう、デイヴィッド・カズンズこそショボン入っているけど(でもアラン・ハルに比べりゃショボン度はだいぶ低い)、ジョン・フォードとトニー・フーパーはノーマル声です。 とくにフーパーは適度に張りのあるお人よしそうな声で好きだな。