カテゴリ:90年代オムニバス
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スコットランドとイングランドの境目、ボーダー地方の民謡を集めたアルバム。 取り上げている歌はスコティッシュ・トラッドの方が多そうだったんでスコットランド産扱いにしちゃいました。 シンガー陣ではタナヒル・ウィーヴァーズのロス・ケネディ、スティーライ・スパンのマディ・プライアが知られているのかな。 リンダ・アダムスも昔からこの手の音楽を聴いてきた人にとってはおなじみの名前だろうし、スコットランドものが好きならばジャネット・ラッセルは定番かもしれません。 グレアム・パートとジョン・ライトはまったく知りませぬ。誰か教えてちょんまげ♪ 男性よりも女性の方が迫力ある歌唱していますね。 男性3人はいずれもソフトな歌い方をしているけど、女性3人は思わず正座して聴いてしまいそう。 収録曲はチャイルド・バラッド率高し。 2が186番、3が214番、4が193番、6が26番、9が191番、10が195番。 その中でも3、6、9は人気が高いよね。 4は“パーシー・リードの死”ってタイトルのわりにはやけに陽気なメロディラインを持っています。 歌っているグレアムの声質も明朗。 まあトラッドの世界において歌詞とメロディが合っていないのは今に始まったことじゃないんだけどさ。 ブックレットにはボーダー地方の歴史やそれぞれの曲にまつわるエピソードが記載されていて、拾い読みしただけでもワクワクドキドキ興奮の嵐です。 マディが歌う5はカンブリア地方の歌で、曰く“デイカー”はトーマス・デイカーのことだとか“ウォー”はフロッデンの戦いのことだとか。 ジャネットとリンダが無伴奏でハモる6はアカペラ好きにはたまらない出来。 声を高低くっきりわけていてね、凛としていてかっこいいんだ。 タイトルは初見だけどメロディは聴き覚えがある歌もいくつか。 7はアイルランド民謡の“アイム・ア・ローヴァー”と同一です。 続く8も聴き覚えあるんだよなあ。 イアン・キャンベル・フォーク・グループでローナ・キャンベルが歌っていたことは確実なんだけど、どの曲だったかな。 9の“ヒューイ・ザ・グレイム”が“サー・パトリック・スペンス”と同じメロディってことはもう言うまでもないよね。 ロスが歌とギターでアーチー・マカリスターがフィドルを弾いてまして、リチャード・エヴァンスのパイプが加わります。 大好きなメロディだから“ヒューイ”でも“パトリック”でも曲買いの対象になってるのだ。 マクスウェル家とジョンストン家の争いを取り上げている10はジャネットが切々と歌い上げています。 物悲しい旋律と抑えた伴奏が涙を誘うなあ…。 ギター、ブズーキ、パーカッション、パイプ、ベースが入ってるんだけどほとんど無伴奏独唱のノリだよ。 グレアムの歌唱はやっぱり明るくて、11も例外ではありません。 1388年のイングランドとスコットランドの戦いを歌った“オッターバーンの戦い”は歌だけじゃなくフィドルもやたら清々しい。 こんな爽やかな戦争があってたまりますか! ちなみにこれがイングランド版になると“チェヴィ・チェイス”と名前を変え、チャイルド・バラッド162番になります。 ラストはリック・ケンプの作品を6人全員で歌っておしまい。 ヴァース部分は交互にリードをとり、サビではみんなでコーラス。 演奏もアコギ、エレキ、パイプ、フィドル、鍵盤、ベース、ドラムと7人参加、皆さん実に楽しそうに伸び伸び歌っています。 本作を聴く際は集中力などまったく必要ないです。 フェアポート・コンヴェンションやイアン・キャンベルあたりが好きならばこれも絶対好きになれると思います。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() <今日の私> 明日から2泊3日で鬼怒川にトリップします。 そこで疑問なんですが、鬼怒川の観光スポットってどこ? 温泉以外で。 人気blogランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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