カテゴリ:70年代女性ソロ
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all songs written by Kate Bush
ピンク・フロイドのデイヴ・ギルモアによって見出されたケイト・ブッシュのデビュー作。 買ったのはずいぶん昔、高校生だった頃。 当時は自分より1つ2つ上の女の子がこれだけの曲を書くなんて…!と驚いたものです。 ケイトを出したのはネタ切れでも気まぐれでもないのですよ。 過去にレビューしたアラン・スティーヴェルの「アゲイン」にゲスト参加をしているし、彼女のアルバムにダニー・トンプソンやアイルランド人ミュージシャンが参加したことも。 それに音楽的にもトラッドの影が見え隠れしていることだしね。 エミリー・ブロンテの「嵐が丘」をネタにしたデビュー・シングルの6が全英1位の大ヒットを記録、アルバム本体も3位まで上昇。 あの長い小説をこれだけの長さにまとめる技量はすごいと思うなあ。 興味深いことにケイトの本名は小説の主人公と同じキャサリンだし、ブロンテとケイトは同じ7月30日生まれ。 でも世間的には「恋のから騒ぎのテーマ曲」なんだろうなー。 基本的には自身のピアノ弾き語りなんだけど、サポート陣が豪華すぎる。 古い時代の英国ロックが好きな人なら一度は目にしたことあるであろう名前がずらり。 イアン・ベアンソン、パディ・ブッシュ(ケイトの次兄。長兄は44年生まれのジョン)、スチュアート・エリオット、モーリス・パート、アンドリュー・パウエル、ダンカン・マッケイ以外は当ブログに何らかの形で登場済。 中でもデイヴィッド・ペイトンはキャメルのアルバムで重要な仕事をしていました。 それからこれは誤解されやすいんだけど、本作ではギルモアは演奏にはタッチしてません。 当時まだ10代のケイトの歌声は可愛らしいのだけど妖艶で、男が黙っちゃいないタイプなんじゃないかと。 私の周囲では彼女が好きって人は圧倒的に男性が多いんだよね。 何人かの知人女性は「声が生理的にダメ」で聴けないって言ってたし。 私自身も初聴きの時は「うーむ…?」となったけど、何回か聴いていくうちに高音多用の個性的でピュアなこの歌声が好きになってきたのだ。 本作で一番のお気に入りはラストのタイトル曲。 これはピアノのみをバックに切々と歌う美しいナンバー。 実はこの歌、トラッドの“シース・アンド・ナイフ”を元ネタにしているらしいんだよね。 歌詞を見てみると、主人公とその兄が関係を持ったこと、主人公は死んだこと、兄が“丘の上で太陽と月が出会うまで帰らない”と言っていること… 歌詞の内容を知ってからは(高校時代はとくに気にしていなかった)一層泣ける歌になっちゃったよ。 珍しくアルトで歌う2や5も良いです。 数あるケイトのアルバムの中でも、本作は衝撃度・充実度という点で抜きんでていると思います。 デビュー作でこの内容。しかも全部自作。おそるべし。 公式サイト:http://www.katebush.com/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009/02/14 06:10:18 PM
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