つまずく石も縁の端くれ

2024/04/30(火)16:50

ほとけの国の美術(後期) 府中市美術館

アート(1039)

春の江戸絵画まつりに通いだして、もう何年になるだろうか。満開の桜を楽しみながら、こうして平日にのんびりと来れるようになったことに喜びと一抹の寂しさを感じます。 今回は仏教をキーワードにした展覧会。今年も素晴らしい内容で大満足でした。まずは京都二尊院の「二十五菩薩来迎図」。楽器を打ち鳴らしながらやってくる菩薩たち。截金(きりかね)で描かれた文様の美しさ。平等院鳳凰堂の雲中供養菩薩の絵画版のように感じました。一方。金沢の照円寺蔵の「地獄極楽図」の色彩感溢れた地獄に落ちた亡者の悲惨な様子が生々しく見応えがありました。 白隠や仙厓の禅画はなじみ深く、いつ見ても楽しみです。そして今回いちばん見たかったのは、曽我蕭白の「雪山童子図」です。画面を覆う鬼の青と童子の赤い衣との鮮やかな対比の妙。奇怪な表情。奇想の画家蕭白の面目躍如といった作品です。「群仙図屏風」と並んでお気に入りの一枚です。長沢蘆雪のワンちゃんも楽しくていい気分になりました。(4/11)

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