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つまずく石も縁の端くれ

つまずく石も縁の端くれ

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2006年10月24日
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カテゴリ:読書
江戸の絵を愉しむ

「生活のなかの遊び」の章では、絵巻物、襖絵、掛け軸など、
日本古来の絵の見方を「動き」という点から、解説している。
簡単に言えば、昔の画家たちは、ふすまを開いたり閉じたりし
た時や掛け軸を開いた時の視覚効果を強く意識していたとのこ
と。特に長澤芦雪の作品を多く取り上げて、説明しているので
嬉しい。奈良県立美術館で見た「虎図」や「富士越え鶴図」。大
倉集古館で見た「大仏殿炎上図」など、最近見たばかりの芦雪
の絵が中心に論じられているので、興味津々。

次の「視点の遊び」の章でも、先般「美の巨人たち」でも取り
上げられていた歌川国芳の「寄せ絵」や「影絵」を題材に、江
戸絵の見た目の面白さを解説。国芳は本当にアルチンボルトの
絵を眺めたことがなかったのであろうか。

最後の「かたちの遊び」の章では、猿の図像学として、ニホン
ザルやテナガザルの絵の面白さを述べている。テナガザルが水
に映った月かげを取ろうとして溺れ死んだ「猿猴取月図」。身の
程をわきまえずに無理なことを望むと災いをうけることのたと
え。我が身の戒めにしなくては。それにしても、多くの画家た
ちが何ともユニークでかわいい猿たちを描いていること。

テナガザル

上記以外にも、多数のおもしろ絵画が紹介されており、ますま
す日本画への興味が深まる一冊だった。






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最終更新日  2006年10月24日 22時20分24秒
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