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柳広司さんの「象は忘れない」を読みました。 柳広司さんといえば、「ジョーカーゲーム」が有名。 私もこの作品で初めて知りました。 「ジョーカーゲーム」、面白いですよね。素晴らしいエンターテーメント作品だと思います。 「象は忘れない」もフィクションで、エンタメ小説と言っていいかも知れない。 あくまで、「小説」です。とても読みやすく書かれている。 けれどその舞台は、「あの日の福島」「あの日以降の福島」で、私自身がほんの数年前まで身近に聞き、あるいは体験もした「日常の一部」でした。 読んで、愕然としました。 まだ、5年前の出来事です。中には現在進行形の問題もたくさんあるのに、私の中ですっかり過去の話であったことに。 人間はなんて簡単に忘れる動物なんだろう。 今回の熊本地震で「あの頃のことを思い出すねぇ」と言っていたのに、それでも一部のことしか思い出してなかったことに気づきました。 この本は、あくまでフィクションだけど、現実でもあります。 人は都合よく忘れていく動物だから、ちゃんと「小説」で残ることがありがたい。 資料として残っても、本当の苦悩は伝わらない。 「小説」だから、残せることがある。 多くの人に読んで欲しい本です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016年04月29日 10時15分15秒
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