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カテゴリ:コンドルズ
大きな子どもの一人として、さいたま芸術劇場企画の「にほん昔ばなしのダンス」の最終回を見てきた。( http://www.saf.or.jp/education/geijyutu/2006/d1007.html )企画の一つとして、ごひいきダンスカンパニーの主催近藤良平氏演出、山本、鎌倉、藤田の選抜ダンサー3名により、「ねずみのすもう」が上演された。あらすじを知らないお話だったが、本格的コンテンポラリーダンス(真剣に踊ったアチチュードがとてもきれいだった)、簡単な素材による大道具、コント、組み体操、人形劇、影絵・・・とお楽しみがギュッと凝縮された、昔ばなしエンターテインメントに仕上がっていた。
もう一つの演目は、伊藤千枝氏率いる珍しいキノコ舞踏団( http://strangekinoko.com/J_html/profile/index.html )の「へっこきよめ」。こちらもかなり有名なカンパニーで、お友達の幸ちゃんなどはキノコを好きになってからワークショップに参加するようになり、その延長でコンドルズに関わるようになったという因縁がある。昨年の東京都写真美術館でのコンテンポラリー・ダンス・カンパニーの展示でも、やはりコンドルズと同じスペースのお隣りがキノコ舞踏団だった。専属のデザイナーさん、衣装さんがいらっしゃるのだと思うが、ポップでキッチュな衣装と大道具で独自の世界観が繰り広げられている。ただし、小さな子どもたちには難解だろう。 初めてふれるキノコ舞踏団のダンスはと言えば、バレエベースのキレイなダンスではなく、体育大ベースの肉弾的ダンスという印象を受けた。ダンサー二人の脚はかなり立派な筋肉の塊なのだ。このカンパニーはどうやら全員が日本大学芸術学部西洋舞踏コースの出身のようなのだが、どうみても、体育大学出身の体型だ。そして最終回の観客は、ほとんどがキノコ舞踏団目当てのようだった。女の子カンパニーをおっかける女の子ファン多数。 近藤、伊藤両コレオグラファーによる幕間の演奏とお話もイカしていた。ギター、バンドネオンは普通として、“またアナタ楽器みつけてきたね~”とにんまりしてしまったが、シャカシャカリズムを出すマラカスみたいなものや、ネズミの鳴き声が出る棒が登場した。鳴き声棒のソロなんて、ほかじゃ聞けない演奏に違いない。 「昔ばなしのブルース」は、“なんで昔ばなしはじいさんばかり出てくる?”という歌だが、このまま「エンタの神様」に出してはどうだろう?というくらい、笑えるブラックユーモアだった。 「4回公演で回を重ねるごとに上手になってきた」と演出家が言う、その最終回を見ることができ本当に良かった。同行に難色を示していたうちのセンセイも、最初の「へっこきよめ」では爆睡していたものの、「ねずみのすもう」は大笑いして見ていた。観客の反応が顕著に現れ、こんなわかりやすい作品もないだろう。 「ねずみのすもう」で最初に創られたという満月の光景があったが、劇場を出たらきれいな満月が見事に浮かんでいた。満月の夜にこの作品を少人数だけで鑑賞できたことは2006年のかけがえのない思い出になりそうだ。嗚呼贅沢、ああ極楽。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年10月09日 10時22分58秒
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