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2022/11/17
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カテゴリ:2020〜趣味

最近、私にはちょっとした楽しみがある。

なんでしょう?

それは、百貨店の美術画廊に行くこと。

美術館に行くことが趣味だが、百貨店のこの美術画廊の展示即売というものも、実に興味深くおもしろいのである。





百貨店というところは、思いの外頻繁に展示即売という催しをしている。

少々お呼びでない上の方のブティックの階を過ぎると、どんどん客が減っていって、マスクが良い塩梅にあくびを隠しているが居眠りしていることは隠せない店員がボサッと上の空で突っ立っている。

接客するのは月に何回だろう?

店員の様子を横目で窺いながら抜き足差し足姿を消し、一角にあるひっそりと静まり返った人が通った形跡もないような場所へ。

ここが美術画廊である。

すべての商品が厳重にショーケースに収められ、商談用の高級などっしりとしたテーブルと椅子、そして必ずや手の平よりも大きな電卓が置かれている。





ここ。

ここへ行くことがちょっとした楽しみなのである。





ただポツポツと等間隔で商品が並んでいるだけだが、薄暗くノスタルジックな美術館とは違い、細部まで隈なく見られる煌々とした照明の下で観賞できる醍醐味は案外ここだけかもしれない。

舐めるように観る。

ため息が出るほど美しい。





そしてもう一つの楽しみは、展示即売なので、売約済みの札の掛かる商品が目の前にあることだ。

先日は1650万の花瓶が売約済みだった。

以前行った時は1320万の壺に札が掛かっていた。

200万の小さな絵画は、だんだん金銭感覚が麻痺してきて、あら安いの買ったのねって思う。

消費税を頭の中で大まかに計算して顎が外れそうになったり、これだけ並んでいる品の中でなぜこれを選んだんだろうとか、買った人を想像して一つの物語を作ったりして遊ぶ。

よくアパホテルの社長が浮かぶのだが、大金持ちの女性に大きなリボンの付いた大きな帽子を被せるのは私だけではないだろう。





見るのだけは自由だ。

店員の刺すような視線を一身に浴びる覚悟と図太さがあれば行ける。

あまりに現実離れしていてこんな世界もあるんだなっておもしろいから、是非行ってみてね。






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最終更新日  2022/11/17 07:20:08 PM
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