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カテゴリ:2023〜いとおかし。
美術館へ行く時、私には密かに楽しみにしていることがある。
私たちは完成された、言わば最高傑作を見させていただいている訳だが、そこに辿り着くまでには相当な努力が必要だ。 そう、デッサンが、つまり下絵が展示されている場合があるのである。 構想を練っている段階でのサラサラと鉛筆描きしたようなものから、ある程度仕上がった完成に近い下絵まで、何枚も見られるチャンスがある。 私にはこれがとても興味深い。 この、私たちの目の前にある展示品のみの一発勝負のようなことがあるはずもなく、長ければ何年もの歳月を費やしてようやく一つの作品が出来上がる。 先日あるデッサンを見た。 10代の頃のものだと説明文には書かれていたが、あまりに素晴らしく、びっくりするほどの出来栄えで驚いた。 高校生でこれはなかなか描けないよ。 持って生まれた才能だな。 ここから更に想像を膨らませて形にしてゆくことになるが、もう既にこのデッサンで立派な確固たる一作品であった。 その過程をも見られる醍醐味。 これもまた、美術館の好きなところ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024/02/17 07:30:16 PM
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