価格団への異常な愛情／または私は如何にして電気代を心配するのを止めてＰＳ３に没頭するようになったか

我輩はＰＳ３である。

名前はまだない。

けれど、主人は我輩のことを「Ｐちゃん」と呼んでいる。

我輩はそんな低俗な呼び名は、断固として認めないつもりだが、主人が勝手に呼ぶのだから、仕方がない。




それより、今回、ＰＳ３である我輩が、なぜ、主人に代わってブログを更新しているかを説明しておこう。

全く人間というのはだらしのないもので、自分で自分にした約束さえも易々と破ってしまうものである。


うちの主人も例外ではない。


週一でブログを定期更新する、と豪語しておきながら、さも当然のように２週間も更新しない、その図々しさ。片腹痛し。


もっと読者のことを考えなくてはいかん。


しかもそれに合わせて、書いている内容があまりにもお粗末である。

これは今に始まったことではないけれど、書けばいいってもんではあるまい。


人様に呼んでもらうのが目的なのだから、人様が読むに耐えうるものを書かなくてはならん。

もしやすると、主人は「別に人に読んでもらいたくて書いてるのではない」と反論するやもしれぬが、ならば何もブログに書いて公開せずとも、キャンパスのノートに書いていれば良かろう。


そして、今日、こんな主人に任せてはおれぬと思い立ち、我輩が代わりに更新することにしたのである。




ＰＳ３が勝手にそんなことができるのか、という疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれないが、そこは世界のソニーが最先端の技術を詰め込んだスーパーコンピュータをなめてもらっては困る。



我輩のプログラムのなかに不可能という文字はない。



ＰＳ３の凄さについて、各々方は重々承知していることと思われるし、何より我輩の自慢をしても仕方がないので、ここはやはり、我が愚かなる主人について書こう。



どれだけ愚か者かは、我輩の頭に積もっているホコリを見てもらえば分かるであろう。


我輩がこの家へ来た当初こそ、毎日のように体を拭いてくれたり、使用しないときはカバーみたいな変な布をかぶせてくれたりしたが、それも束の間。


一ヶ月もすれば、体を拭くなんてことは絶対にしないし、カバーもどこにいったか分からない。


今では頭から背面にかけて、ホコリまみれである。


何故か目の前には、パリッパリのご飯粒が置いてある。


我輩へのお供え物のつもりだろうか？


もちろん我輩は機械であるので、食べることはできないのであるが、愚かな主人のことだからあり得る。




こんな扱いをされていたら、いつ壊れてもおかしくないように思う。


しかし、いざ壊れた時、人間は決まって我輩や製造主のせいにするに違いない。


ホコリが壊れる原因だと分かりそうなものだけれど、こうも一向に掃除をしないのだから、分かっていないのであろう。


もし分かっていてこの状態であるのなら、ますます主人は愚人であると言わざるを得ない。




主人の飽きっぽい性格からも愚かなことが分かる。


我輩を所有しているぐらいであるから、ゲーム好きであろう主人は、ゲーム好きな者の使命であるかのように、ゲームソフトを次々と買う。




我輩にとっては、色んな旬のソフトが体験できるので、買うのは一向に構わないのであるが、大概のソフトをクリアしない主人の飽き性に頭を悩ませている。


我輩の中には、中途半端なセーブデータがいくつも残っているのである。


クリアしてくれれば我輩も、幾分かは気分のいいものであるが、未クリアのセーブデータが溜まっていくことほど気持ちの悪いことはない。


「皆が楽しそうにしてる！」


という理由で買ったであろう、ＣＯＤ４なんて、オンラインこそは多少やったとはいえ、ストーリーは１面で挫折していやがる。


「ＦＰＳは酔う」などとこぼしていたが、だったら初めから買わなければいいと思うのだけれど。


そして、何を思って買ったのかは分からないが、ＤＭＣ４も途中で挫折。


「英語の勉強にもなるから！」とかほざいて買った、海外版のＧＴＡ４だって途中。


これもストーリーほったらかしでオンラインで遊んでおった。


ある日「英語さっぱりわかんねぇ」なんて言うのだから、もう手に負えない。


もう何ヶ月も待てば日本語版が発売されたのに、全く主人の頭はどうかしてる。



ミーハー根性で買ったＭＧＳ４も、クリアこそしたものの、終盤から隠れることをやめて、レーションを食べながら猛進していた主人に、「本当にゲームが好きなのか？」と問わずには居られない。



ＭＧＯだって、入ってるクランで隊長をしているっていうのに、今や第二段追加パックも購入していないらしい。




主人には責任感というものがないのであろうか。





ふぅ、主人への日頃のうっぷんを散々吐かせてもらったので、今回はこのへんにしておこう。



とりあえず、ただ主人に願うのは、掃除をしてほしい、ということのみである。
隣のテレビ君も嘆いておる。



ホコリの除去を、切に願う。




あと、立っているのも疲れたので、そろそろ横にさせて頂きたい。