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カテゴリ:活字中毒の評論家サンタ
17歳と20歳の作家のデビュー作を読んで その2
~ 佐藤さん、ごめんなさい! 長女の一番の仲良しの一人は、「佐藤さん」家のお嬢さんです。 今年は4月29日から5月3日まで毎日お会いしています。 昨年も、その仲良しさんのお父さんの岩手のご実家に泊まらせて頂いたので、GW休みのほとんどを「佐藤さん」と一緒に過ごさせて頂きました。 我が家はみんな、本当に「佐藤さん」にお世話になっています。 それなのに、それなのに、、、 佐藤さん、ごめんなさい! こんな本を読んでしまいました。 その本の名は 『リアル鬼ごっこ』 です。 これは、新進気鋭のニュー・タイプのホラー作家山田悠介が20歳のときに書いたデビュー作なのですが、 その設定が何とも奇抜なのです。 舞台は未来の王制日本。馬鹿な若い王様が好き放題をやっているのですが、由緒ある王族の名字である「佐藤」が王国内で一番多い名字であることが許せません。「佐藤」は自分だけで良い、と王国中の「佐藤さん」を皆殺しにすべく、1日1時間1週間にわたり「鬼ごっこ」を行ない、捕まった「佐藤さん」は抹殺するという「リアル鬼ごっこ」が開始されてしまうのです。 この本は35万部売れたらしいのですが、実は、それが信じられないくらいに、「ひどい」のです。 誤字はあるし、文の呼応は正しくできてないし、文章表現も非常に稚拙で、設定も甘い! 元々は作者の自費出版であった、というのもうなずけるくらいで、奇抜なアイデアとストーリー展開だけで注目された作品なのであろうと思ってしまいます。 その完成度の低さは、昨日の日記に紹介した、17歳の作家が書いた作品『りはめより100倍恐ろしい』とは、比べ物にならない程です。 正直、私が今までに読んだ全ての本の中で最低だったと思います。 とは言ったものの、エンターテイメントとしては、十分に楽しめるし、その後に「改訂版」が出たり、いくつもの著作が発表されているので、山田悠介には奇抜なアイデアを生み続ける非凡な才能が溢れているのでしょう。 作家として成功するためには、文章が上手いことよりも、発想の奇抜さの方が必要なのかも知れません。 それを実感するためにも、敢えて、同氏の他の作品も読んでみようと思います。 現在「語学と心のかけ込み寺」は何位かな?BESTブログランキングのマークをクリックして頂ければ幸甚です。ご協力お願い致します! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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