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2018.07.28
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カテゴリ:極私的映画史

 2017年10月、ついにキング・オブ・カルトの称号をもつ石井輝男監督の超カルト作「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」の国内盤DVDが発売された。1969年に製作されたこの作品は、江戸川乱歩の小説をチャンプルーして、土方巽&暗黒舞踏をふりかけたら、世にも奇々怪々なものになってしまったという映画。それまで「網走番外地」と「スーパー・ジャイアンツ」の監督と認識していた僕は、当然のごとくブッとんだ。

 実はこの作品、映画館より前にVHSで見ている。日本でソフト化されるのは、昨年のDVDが初めてなのだが、1993年3月に一度はビデオソフト化が予定されていたのだ。東映ビデオのリリースカタログにそのタイトルを見つけた僕は、ろくに内容も知らないまま、ただものではない気配を感じ、サンプルを借りようと東映ビデオへと走った。当時の東映ビデオは、サンプルの貸し出しを図書館のようなカードで管理しており、僕はめでたく「恐怖奇形人間」の貸し出し第1号の栄誉を獲得した。

 ビデオを見て、石井輝男のつくり出した不思議な世界にひたっていたら、少しして東映ビデオのおばちゃんから電話があった。「ごめんなさい。発売中止になっちゃったの」。残念に思いながらも、どこかで「そりゃ、そうだよな。奇形人間だもんな」と納得もし、「おそらくビデオを見たのは僕だけだよな」とヘンな優越感をもったりもした(貸出用サンプルは1本しかつくられてなかった)。

 こうして幻となった「恐怖奇形人間」だったが、あっさりとスクリーンでお目にかかることになった。程なく、名画座の極北・大井武蔵野館の特集で「恐怖奇形人間」が上映されてしまったのだ。大井武蔵野館自体がすでにカルトな名画座だった上に「恐怖奇形人間」の上映ということもあり、そこに集った若者たちは、誰も彼もが「わかる、好きだよね」な顔をしていた。石井輝男ワールドに浸りながらも、どこかで「この輪の中には入りたくない」と天邪鬼な気持ちがもたげていた。

 「恐怖奇形人間」を見た1993年は、石井輝男の久々の作品「ゲンセンカン主人」に公開された年で、またもやあっさりとカルトな石井作品を見に行くチャンスが訪れた。ピンク映画の新宿国際ややくざ映画の新宿昭和館がうごめく界隈にあったシネマアルゴ新宿(元・新宿にっかつ)で、特集レイトショーが開催されたのだ。夜の9時10分からの上映だった上に、周辺が歌舞伎町よりヤバいんじゃないかと思わされるくらい猥雑な雰囲気だったため、こちらも心理的に否が応でも盛り上がる(この時は千葉真一主演の「地獄拳」シリーズを見られなかったのが悔しかった)。

 日活ロマンポルノには足しげく通いながら、東映の(石井輝男の)異常性愛路線は、存在すら知らなかった。もちろん、罪悪感にさいなまれた僕は、以後、石井輝男の世界にのめり込んでいく。


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Last updated  2018.07.28 22:32:00
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