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2018.10.31
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カテゴリ:極私的映画史

 モンティ・パイソンの存在を知ったのは、大学入試で上京した時のビジネスホテルだった。息抜きにつけたTVでやっていたのが、東京12チャンネル(現テレビ東京)でやっていた「空飛ぶモンティ・パイソン」だった。何だか外国のヘンな番組をやっているとは思ったものの、入試前日に見入るわけにもいかず、さりとてその印象は強く記憶に刻み込まれた。

 晴れて大学に合格し上京。そこで毎週「空飛ぶ~」を熱心に見たかというと、そうでもない。何となくモヤモヤと気になりながらも「空飛ぶ~」を見ることはなく、気が付けば中野武蔵野館でモンティ・パイソンの映画「ホーリー・グレイル」を吹替版で見てしまい、でも映画館での吹替版はなんだか居心地が悪く、今となっては貴重な体験も、当時はイマイチ盛り上がらずに終わってしまった。

 それからビデオ/LDの時代になり、遅ればせながら「空飛ぶ~」を後追い体験し、その面白さに夢中になってしまった。そんな中、公開され評判になったのが、「空飛ぶ~」のアニメーションを担当したテリー・ギリアムが監督した「未来世紀ブラジル」だった。だが、それもまたイマイチという感想だった。というのも、モンティ・パイソン映画でギリアムと共同監督したテリー・ジョーンズの方が好きだったからだ。

 確かに映画監督としての才能やセンスはギリアムの方が上だと思ったが、単純に「面白い」のはテリー・ジョーンズだったからだ。そんなギリアムに対する先入観のせいだろうか。その後も「バロン」「フィッシャー・キング」「12モンキーズ」と、どれもイマイチ物足りなかった。ずっと見続けていたということは、実はとても気になる存在で、いつか僕を夢中にさせる映画を作ってくれだろうと思っていたに違いない。

 そして20世紀も終わろうとする頃、「ラスベガスをやっつけろ」に出会った。それまで、どちらかというと未来やファンタジーの世界を描いていたギリアムが、ジャンキーの世界を描く。主演のジョニー・デップもベニチオ・デル・トロも、まだ登場しただけでお腹いっぱいになる存在ではなく、そんな彼らをギリアムがそれまでのうっ憤を晴らすようにはち切れさせる。僕にとっては、初めてギリアムがメーターを振り切ったように見えた。

 この映画でやりすぎたからだろうか。次の「ブラザーズ・グリム」が公開されるのは2005年。「ラスベガスをやっつけろ」から7年という月日が経ってしまう。毎回のようにプロデューサーや配給会社とモメるのだから仕方がないのかもしれない。ギリアムは生まれるのが10年遅かったのだ。映画が芸術やギャンブルのような存在だった時代は終わり、ビジネスとして確立される時代にぶつかってしまったのだ。

 見直してみると、たとえば「バロン」などは、メチャクチャぜいたくな映画で、あんな撮り方をする映画は、今では確実に企画段階でボツにされるだろう。言ってみれば、「バロン」は巨大なセットを使ったアナログ超大作である。製作サイド、配給サイドと戦いながら、それだけの作品を作っただけでも、今となってはギリアムのすごさの証明になっている。もしも、ギリアムが10年早く生まれていれば「バロン」はさらにスケールの大きい作品になっていたかもしれない。

 製作中止から10数年ぶりに甦った「ドン・キホーテを殺した男」も、いよいよ公開とアナウンスされた途端に訴訟沙汰で再び先が見えなくなっている。いつまでギリアムの不運は続くのか。こんなに不運が続くと「10年早く生まれていたら状況は違っていたのではないか」と思わずにはいられないのだ。

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バロン【Blu-ray】 [ ジョン・ネヴィル ]





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Last updated  2018.10.31 17:16:49
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