3年生の春の塾に入った。周りの子も自分の子もまだまだ小さくて幼かった。
3年目になった。いつの間にか。
5年の夏だ。タイムリミットの夏だ。
≪母の手を離れて、ひとり立ちする時期に来ている。
いっぺんにとは言わない。少しずつでいい。
だけど、少なくとも5年の1学期中にそれが成功しなければ、この受験は成功しない。
子ども自身が、自分の問題としてしっかりと引き受ける覚悟が出来なければ失速するだろう。≫
≪親が主導して保っていた成績は5年がピークになる。
6年になってから後半に伸びてきた子の勢いから外れると6年の合判では信じられないくらいの無残な成績の下降が待っている。
だから今、やるべき事は手を離すこと。≫
新5年になって回っていかない学習に音を上げていたときに申し渡された。
自分が子離れするための心の準備が出来ていなかった分、動揺してどうしていいかわからなくなった。
えー?じゃあどうしたらいい?
随分あちこちにSOSを発信した。
結局、精神的にも物理的にもいっぺんに手放す覚悟で挑んだ。
先生も私も確実に成績は急下降すると思っていた。
≪「男の子は結果主義です。これでは何を言っても効果はありません。」
「だから手を離してください。今までやらされてきたことを急に自分にまかされるのだから下がります。」
「下がった時に本人にガツンと言います。」≫
言いたい言葉を飲み込んで、いらいらしながらじっと待つ。
今日から自分でやりなさい宣言。
相変わらずふにゃふにゃだらだら。これも真っ白あれも真っ白。
そうして受けた何回かの結果は予想に反して下がらない。
むしろ上がった。
次の組み分けまで揺るがない。
はたで見ていると抜け、落ち、穴がたくさんある。
5年とはいえ、内容が難しくなり、量が増える。
単元によってはこけた。
これでもまだ口出しは出来ないのか。
時々は言ったけど。
「全く授業だけで予習も復習もしないでテスト受けるのはやめなさい。
せめて、テスト前に少しぐらいシリーズを読みなさい」
よけいなお世話か。
しかし、本人に任せると答えのはっきり出る算数と宿題チェックの厳しい国語だけ。理社はどうした。
ここ何回か、春休みの先取りの貯金がなくなったといわれる。
今までは貯金だったの?
夏休みの先取りでまた2学期に向けて頑張れと。
だから講習会を休めず、合宿にいけなくなった。
夏休みに入った。
今日からみんなは志賀高原の合宿だ。
どの位自立が出来ただろうか。
結局全部手放すといっても手放せなかった。
スケジュールも順番もひょっとするとセレクトも
全て仕切って親がかりでやらせる形からは脱出した。
解きなおし、ノートのとり方、時間を決めてやること
ああ、言いたいな。
じっと見ている。
演習は少しやったら?過去問読んでみたら?
こっちの宿題はどうする?
やっぱり、言いたいな。
だまって見守る。
横にいると嫌がる。
傍で自分も勉強するといいんだそうだが。
困ったときも教えない。
先生に自分で質問しなさいという。
授業後のいつものメンバーは不動のままだ。
誰が一番最後までいるか競ってるかのように。
教科の先生主導で何を詰めるか探っているようだ。
親の手からは徐々に離れた。
塾の時間がどんどん延びた。
これからどうなるんだろう。
この先どこに行くんだろう。
結果はいつ出るんだろう。
自立学習。自律学習。
やっぱり何らかのサポートはいる。
でもそれなりに自分で一歩。
約束の5年の夏が来た。
このくらいの自立度でどうでしょうか。
先生言ってたっけ。
この夏の成果が11月の分岐点でわかるって。
次の約束は5年の秋なんだ。
人気blogランキングへ